「育休切り」相談、過去最多の1107件に | もっと知りたい労働法!

もっと知りたい労働法!

東京都町田市を拠点に両立支援、労使トラブル、障害年金などに対応、『悩み』を『戦略』に変える労務管理を提案する特定社会保険労務士櫻井三樹子のブログです。日々の疑問や矛盾と戦います!!たまに日本酒でまったりします。

 妊娠や出産のために育児休業を申し出たら退職を強要されたなどとして、全国の労働局などに寄せられた「育休切り」の相談件数が今年2月末までの11カ月間で1107件に達したことが16日、厚生労働省の調べで分かった。昨年度1年間と比べても25%以上増加しており、相談件数はすでに過去最高。厚労省は、男女雇用機会均等法や育児・介護休業法に違反する事例には厳正に対応するよう全国の労働局に通達した。

 「育児休業を終え、復帰を申し出たら会社から拒否された」。景気の悪化とともにこうした相談が急増している。育児休業に関連する相談は4年前の平成16年度に比べると、2倍以上も増加した。労働者からの相談を受けて労働局が育児・介護休業法に違反するケースとして是正指導したのは既に47件(前年度より12件増)に上っており、38件を是正させている。

 サービス業の女性パート労働者は、育児休業後に職場復帰しようとした際、会社から「深夜や早朝の勤務しかない」といわれた。深夜・早朝勤務では託児施設もみつかりにくく、労働局に相談。労働局による是正指導の末、通常の勤務になったという。

(産経新聞)

 育児休業とは…子を養育する労働者が法律に基づいて取得できる休業のことです。育児休業の期間中には、勤務の実態に基づき給与は支給されないか減額されるが、それを補うものとして育児休業基本給付金と育児休業者職場復帰給付金の支給を受けることができます。法律で定められている労働者の権利ですから、事業所に規定が無い場合でも、申し出により休業することは可能です。問題がある場合には事業所に対して労働局雇用均等室からの指導がされることになっています。

 少子高齢化の今、出産し、育児をしながら働こうと頑張っている労働者を「育休切り」とはひどいですね!!育児休業は労働者の権利ですが、まだまだ「育児休業をしたい」と言いずらい企業が多いようです。しかし、労働人口はますます減少傾向にあります。育児をしながら働きたいという労働者は、時間厳守で保育園に子供を迎えに行かなければならなかったり、帰って子供の世話をするわけですから、無駄な残業をしたくないという意識があります。そうなると、朝から集中して業務に励む!職場が広く育児労働者を理解をすれば、モチベーションを高く維持しつつ、今まで以上に能力を発揮する方もいるわけですね。

 育児休業を終え、復帰を申し出た労働者を会社が拒否するなんて、優秀な人材を自分から手放すのと同じことなのです。もったいない!新たな人材を採用し、教育することを考えたら時間もお金も手間もかかるでしょう。人手不足の時代がやってくのですから、育児中の労働者の扱いについて、意識を改革する必要がありますね!

 企業として、育児休業を初めて取得させたらもらえる助成金などもあります。国も育児をしながら働く労働者とその支援をする企業を応援しています。

 当事務所でも育児休業・介護休業の制度導入のお手伝いを承っております!!

sakurai


banner_01.gif人気ブログランキングへ

にほんブログ村 ニュースブログ 時事ニュースへ時事ニュースランキングへ