「派遣切り」使わないで… | もっと知りたい労働法!

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東京都町田市を拠点に両立支援、労使トラブル、障害年金などに対応、『悩み』を『戦略』に変える労務管理を提案する特定社会保険労務士櫻井三樹子のブログです。日々の疑問や矛盾と戦います!!たまに日本酒でまったりします。

 人材派遣会社でつくる社団法人「日本人材派遣協会」(東京)は20日、「派遣切り」という言葉を使わないように要請する文書を各報道機関に送りました。「契約の中途解除を指すはずなのに、契約終了後に更新しないことも含めて使われてしまっている。切るという言葉自体のイメージもよくない」としています。

 派遣協会は派遣切りについて、「派遣元と派遣先の間での派遣契約の中途解除」のことだと主張。契約が終わった後に更新しないのは、派遣労働者の「雇い止め」であって派遣切りではない、としたうえで、「報道で多く使われている用語は正確さを欠く」と訴えている。

 協会企画広報課は「最近の報道ぶりのせいで、派遣労働者から『誇りを持って働いているのに、派遣だというだけで同情される』という声が寄せられている」と話しています。同協会は、業界全体の約1割とされる819社で構成されます。(asahi.com)

 すみませんでした。私も「派遣切り」使っていました。ただ、派遣の打ち切りということで使っていたので間違ってはいないと思います。しかし、「名ばかり管理職」同様、この言葉のおかげで誇りを持って働いていらっしゃる方が不快な思いをするということならば、「派遣の打ち切り」とか「派遣の中途解除」と改めた方がいいですね。

 「派遣切り」と言われるものは契約期間中に、契約の解除をすることです。「雇い止め」とは契約期間満了後、契約の更新をしないということです。どちらも法律に違反しているわけではありません。しかし、労働者保護の観点からいうと、「雇い止め」より「派遣切り」の方が厳しい状況になりますね。どちらにしても、かなり不安定雇用の元にいることは事実です。

 誇りを持って派遣労働をしている方も、もちろんたくさんいらっしゃいます。ただ、製造業派遣の場合、住居とセットで職を得て、住居とセットで職を失うというケースが多く、この点が問題だと思います。実際、今回失業してしまった方々の多くは、派遣でない雇用を求めているということです。ますます、労働者を減らす傾向にある自動車製造業界ですが、景気が回復してきたらどうなるのでしょう?「待ってました!」と労働者が求人募集に殺到するとは思えませんが…。

sakurai


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