会社都合の退職なのに自己都合で退職させたことにすると、会社にはどんなメリットがあるのでしょうか?
①解雇予告手当を支払う必要がない。
②助成金などもらう場合の、受給要件から外れないで済む。
③社会的イメージが悪くならないで済む。
会社都合なのに自己都合で辞めさせられた労働者は、解雇予告手当をもらえないという不利益を受けます。更に、自己都合退職の場合、すぐに雇用保険の失業給付を受け取ることができません。(3ケ月の給付制限あり)不利益が大きいということですね。
長浜キヤノンは今年2月、マルゼンなど請負8社との契約終了を発表。請負労働者約1000人への支援金として8社に計約4億円を支払うとし、マルゼンには既に支払っているといいます。マルゼンは「退職届」への署名を「長浜キャノン」から支給された「生活支援金」の受給や有給休暇買い取りの条件にしていたということです。
アルバイト・派遣・パート関西労働組合(本部・大阪)によると、同様の説明で署名を要求された13人がおかしいと思い同労組を通じて団体交渉したが、マルゼンは改善に応じなかったということです。
労使トラブルで一番多いのが退職時です。どんな方法で退職するにしても、労働者が納得した形でないと問題が起きることが多々ありますね。経営側は労働者に納得できる話をしなければいけません。
例えば、『請負契約終了に伴い従業員に契約途中で辞めてもらいたい』という場合、会社の事情や会社の誠意を納得いくように労働者と話し合い、折り合いをつける(「生活支援金」の支給、有給休暇買い取り、+αで退職金など…)ことで合意退職ということになり、円満退職させることもできるのです!
景気回復の見通しが立たず、早期退職優遇制度などを設ける企業も増えています。この制度により退職する場合は自己都合退職となります。早期退職の優遇措置として退職金が割増されるのがふつうです。多いところでは定年まで勤めたものとして計算するところもありますし、基本給の1カ月分とするところもあります。しかし、失業給付は3ケ月の給付制限がありますから、退職者としては最低でも平均賃金の2カ月分ぐらいは割増退職金としてほしいものですね。