退職を目前に控えた会社員は退職金を一時金で受け取るか、年金で受け取るかについて悩む人が少なくないだろう。今後、公的年金のもらえる額は目減りすることが予想されるだけに、退職後のライフプランを考える上で、企業年金の手取り額を把握することは欠かせない。医療や介護、税金などの負担が増すなか、退職金の受け取り方によって手取りがどのように変化するのか。
厚労省の調査によると、84%の企業が退職金制度を持っている。そのうち約3割の企業は退職金の受け取り方を一時金か年金か選べる。特に従業員1千人以上の大企業では57%の企業で選択が可能だ。
一般には全額一時金で受け取るよりも、年金方式で受け取った方が総受取額は多くなる。企業が年率2~5%程度で年金原資を運用するからだ。ただ老後の生活設計をする際には、額面の収入だけでなく手取り額を把握することが重要。FPの山田静江さんは「公的年金に企業年金が上乗せされても、増加分の2~3割は社会保険料と税金の負担増で相殺される」と話す。
年金収入の変化によって手取り額がどのうように変化するのか試算してみた。国保保険料の算出法は市区町村で異なるため、一定条件での概算である。
退職金の3千万円を全額一時金で受け取り、毎年の収入は公的年金だけだった場合の年間手取り額は約240万円。退職金の半分を一時金で受け取り、残りを年金で受け取る場合は約340万円。全額年金で受け取る場合、手取り額は約477万円になる。ここで、収入が公的年金のみの場合に比べ、退職金全額年金で受け取る方が、額面収入は360万円多いのに、手取り額は額面ほど増えていないことがわかる。
(日経新聞)
なぜ、額面収入は360万円多いのに、手取り額だと272万9000円しか差がないのでしょうか?退職金を年金として受け取ると公的年金と同じように雑所得として扱われるため、国保保険料、介護保険料の計算の基礎となるため、保険料が増えます。また、所得税や住民税の額も増えます。したがって手取り額が減ってしまうということになります。収入が多いということで、医療費の窓口負担が増えるということもあります。
退職金の年金受け取りは企業年金といいますが、これが終身払いならば当然、年金形式でもらった方がいいと思いますが、一般的には10~20年間の有期払いが多いのでそうなると、一時金でもらう方が総手取り額としては有利な場合が多いということです!!
退職金を一時金でもらう方がいいのか、年金でもらうほうがいいのか…社会保険料や税金などを考慮し、額面よりも手取り額を計算してから検討しましょう。自分の企業年金の内容もしっかり把握する必要があります。
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