精密機器メーカー「オリンパス」のコンプライアンス(法令順守)通報窓口に上司らを告発したところ、配置転換などの制裁を受けたとして、同社社員の浜田正晴さん(48)が2日、東京弁護士会に人権救済を申し立てた。
申し立て後、東京・霞が関の司法記者クラブで記者会見した浜田さんは「誇りを持って働いてきたのに、様々な嫌がらせを受け、精神的に追いつめられている」と心情を訴えた。
申立書によると、浜田さんは通報から2か月後の2007年8月、「部長付」という特殊な肩書で閑職への異動を言い渡された上、約1年半にわたって〈1〉業務命令で、部署外との連絡を原則禁止されている〈2〉長期病欠者らに下される最低水準の人事評価になった〈3〉毎月、自分だけに実施される密室での特別面談で、暴言を浴びせられた――などのパワーハラスメントを受けていると主張している。
記者会見で、浜田さんは「今の状況はまるでろう獄。会社の信頼を守るための行動が、こんな仕打ちとなって返ってきたことに、どうしても納得ができない」と話した。
浜田さんは取引先から機密情報を知る社員を引き抜こうとしていた上司の行為が、不正競争防止法違反(営業秘密の侵害)に当たる可能性があると判断し、07年6月、コンプライアンス窓口に通報。窓口の責任者は、通報者名が分かるメールを浜田さんの上司らに送信している。
オリンパス広報IR室は「正式な連絡を受けていないのでコメントできない」としている。
(YOMIURI ONLINE)
コンプライアンス窓口の通報ということは、社内通報制度ですね。社内通報制度とは『企業の不祥事に対して、企業の内部に従業員からの相談・通報を受け付ける制度』です。これは、企業自らの不正防止に努めるとともに、かりに不正が行われたら、その被害の拡大を最小限に止めるための社内制度なのです。この制度を機能させることは、企業の自浄作用を高めることとなり、コンプライアンス体制の強化につながるものされています。
しかし、今回この通報を行ったことで、不利益に扱われ精神的にも追いつめられているということですね。
まず、浜田さんがコンプライアンス窓口に通報した時、窓口責任者は、通報者が誰かわかるようにして、当事者である上司にメールで連絡しているようです。事実確認はとても重要な作業です。しかし、通報者が不利益に取り扱われないための配慮も慎重に行わなくてはなりません。
窓口責任者の対応が正しくなくては、社内通報制度を設置する意味がありませんね。こんな不利益を受けるなら、即外部に告発した方が良いのでは…と考える従業員もいるのではないでしょう?
社内通報制度ですが、窓口は社内と社外に、また匿名可能な制度にすることをお勧めします。
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