違算金を支払わせることの問題点 | 経営者向け60秒ブログ

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北九州市内で社会保険労務士の仕事をしています。このブログは中小企業の経営者を応援するために書いています。そのほか、自分自身の勉強のためと、社会保険労務士の業界振興のためにも書いています。

まずは引用

  あるコンビニエンスストアの店員の告発ツイートが、インターネットで大きな波紋を広げている。レジと現金の計算が合わず、違算金の1万円を払わされるというのだ。告発した、ツイートの主であるコンビニ店員はすでに勤めている店を辞めることを決めているようで、労働基準監督署に訴え、店側と徹底的に闘う姿勢をみせている。(J-CASTニュース10月7日)

 ・・・ネット上の反応には「労基署に訴えるべき」「労基法違反を見逃すな」的な意見もありますが、考えてみれば経営上どんな問題があるのかよくわかりませんので考えてみます。

1.賃金から違算金を控除する点について
この違算金を給料から天引きするのであればその方法について、労基法は制限を加えています。給料の支払い方法は「通貨で」「全額を」「毎月1回以上」「一定期日に」「直接」支払わないといけないと法律に定められています。(いわゆる賃金支払5原則)

このように「全額」を支払わないといけないので、給料から天引きをする際には事前に合意を得ておかないといけないという話です※。とはいえ反対に言えば合意があれば天引きができますし、この程度で労基署がガミガミ言うこともないと思います。
ただ給料の支払いは聖域ともいえることを経営者は改めて知るべきです。会社にとっては数ある経費の一部でも、そこに働く従業員にとってそれは唯一の収入源であると思いますので安易に天引きを考えないようにしてもらいと思います。

※法令に定めのある税金や、社会保険料以外に控除する場合は労使協定を結んでおかないといけません

 2.損害賠償請求について
 損失をしかるべき人に請求する・・・という話ですが、程度の問題もあるようです。従業員のうっかりの程度や会社での立場、会社の管理状態や指導状況などもろもろ含んだ上で従業員の責任が問われるので満額を支払わせることが妥当か、ということには疑問が残ります。