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このブログでもメルマガでも、私は「論点」というものを大切にしています。
この「論点」という言葉は、学習を始めたばかりの方にとっては、聞きなれない用語かもしれません。しかし、社労士試験を制するためには欠かせないキーワードなのです。
私が短期間で合格することができたのも、テーマごとに「頻出の論点」を押さえ、効率よく学習を進めることができたからではないかと分析しています。
では、論点とは何か?ということですが、一般的には、「議論の中心となっている問題点」のことをいいます。討論番組などで、「議論が噛み合っていないな」と感じることはありませんか?この多くは、論点がズレているために生じるものなのです。
幾ら正しいことを主張したとしても、それが議論の中心となっていることでなければ、その場においては何の意味も持ちません。これは、択一式試験においても同じなのです。論点を把握できない限り、○×を判断することはできません。特に近年は、具体例やオリジナルの文章が増え、数字の入れ替えや単純な引っかけが減っていますので、論点を把握する力はなおさら重要となっています。
文章を読んで、「何が問われているのか分からない・・・」という選択肢が多いのであれば、黄色信号だと考えてください。このような方は、選択肢の文章から、問われていることを理解するというトレーニングを欠かすことができません。
ただし、社労士試験の場合には、意外と出題されている論点は「ワンパターン」です。具体例やオリジナルの文章は増えていますが、この傾向は大きく変わっていません。出題者が問いたいことは、ある程度限定されるのです。
つまり、社労士試験には「定番の論点」というものが存在するのです。効率よく、そして点数を安定させるためには、テーマごとに「定番の論点」を押さえることが重要なのです。
たとえば、労働基準法第3条(均等待遇)では、「使用者は、労働者の国籍、信条又は社会的身分を理由として、賃金、労働時間その他の労働条件について、差別的取扱をしてはならない。」、と定めています。
では、この規定について、何が論点となりやすいのか(=何がよく問われるのか)といえば、以下の2点に集約できます。
○論点その1:差別的取扱いの禁止理由が3つ挙げられているが、これは「限定列挙」である。つまり、「性別」など、これら以外の理由により差別的取扱いをしても、法3条には違反しない。
○論点その2:法3条において差別的取扱が禁止される労働条件は、「雇入れ後」の一切の待遇である。つまり、国籍、信条、社会的身分を理由として「採用」を拒否しても、法3条には違反しない。
以上は、なんとなく条文を眺めているだけでは、なかなか把握できません。やはり、過去問を解き、そこから「どのようなことがよく問われているのか?」ということを意識することが欠かせません。
なお、定番の論点を把握することにより、「より短時間で正誤判断ができる」という副次的なメリットも得られます。いつも択一式の時間が足りなくなるという方も、意識してみてください。
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~本日の論トレ(論点トレーニング)~
以下の設問について、「誤っている箇所」を指摘してみましょう!
<平成24年度 第6問イ(基11号)>
労働基準法第39条に定める年次有給休暇について、労働者と使用者の間でその日数に相当する金銭を支給する年次有給休暇の買上げの予約がなされた場合、それが労働者の自由な意思によってなされたものと認められるときには、これに基づいて当該金銭を使用者が労働者に支給することによって、年次有給休暇は消化されたものとされる。
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誤り箇所の指摘だけではなく、正しい「解説」を加えてくださいね!
では、誤っている箇所を赤字・下線で示します。
労働基準法第39条に定める年次有給休暇について、労働者と使用者の間でその日数に相当する金銭を支給する年次有給休暇の買上げの予約がなされた場合、それが労働者の自由な意思によってなされたものと認められるときには、これに基づいて当該金銭を使用者が労働者に支給することによって、年次有給休暇は消化されたものとされる。
本肢の場合には、年次有給休暇は消化されたものとされません。
以下のいずれかに該当する行為は、法39条に違反するためです。
a)年次有給休暇の「買上げの予約」をすること ← 本肢はこちら
b)年次有給休暇の日数を減じること
c)請求された日数を与えないこと
なお、これに対して、退職や時効により消滅した日数分や、法定付与日数を超える日数分の年次有給休暇を買上げることは、法39条に違反しません。
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