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今日は、先日公募させていただいた「ネタ」の中から、
「特定社会法保険労務士、労務管理分野は何故出題が少ないのか?」
について記事にしてみたいと思います。
(すべて私の「推測」であり、確たる「根拠」はない点を了承ください。)
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特定社会保険労務士の制度は、社会保険労務士の「職域拡大」を狙って、
諸先輩方の奮闘により、平成18年に制度化されました。
特定社会保険労務士は、いわゆる「ADR」のうち、個別労働関係紛争解決
のお手伝いをすることができるものです。
(なお、他士業にも同様に、ADRの代理権が認められているものがある。)
ご存じのように、個別労働紛争の件数は、増加傾向にあります。
また、実務では、あっせんなど紛争解決手続代理業務を中心としなくても、
顧問先を持つ場合には、「知識」として要求されることがあります。
このように注目の制度ですが、何故か本試験ではほとんど出題されません。
その背景には、「弁護士会への配慮」があるのではないかと考えています。
この制度ができる際も、弁護士会の反対はもの凄かったそうです。
社労士にとっては「職域の拡大」に繋がりますが、弁護士にとっては単に
「職域の侵犯」を受けるだけですから、当然といえば当然ですよね。
恐らく、様々な政治的駆け引きがあったのではないかと推測します。
紛争価額が「60万円」を超える事件は弁護士の共同受任が必要であるという、
例の「足かせ」も、そうした駆け引きの中で生まれたのでしょう。
このように、非常に微妙なバランスの上に成り立っている制度ですから、
国が実施する試験において、大々的にその制度について出題をするという
のは難しい(やりづらい)のではないかと思うのです。
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次に、労務管理分野です。
こちらも実務上はとても重要なテーマです。
ズバリ多くの社長さんは、保険法を含む法令自体には興味はありません。
「どうやったら売上が上がるのか?」
「どうやったら利益が上がるのか?」
ということが興味の中心です。
自らの人生を賭け、従業員に給料を払う者としては当然のことです。
そこで、「人」に関するプロである社会保険労務士としては、
『どうやったら組織が活性化するのか?』
『どうやったら生産性があがるのか?』
というアドバイスが求められるわけです。
まさに法令以外の知識が要求される、労務管理分野の出番です。
しかし、かつては、本試験における「定番のテーマ」だったこの分野も、
近年の本試験では、ほとんど突っ込んだ出題がありません。
その背景には、厚生労働省や連合会の「目指すべき社労士像の変化」が
あるのではないかと考えます。
つまり、労務管理分野自体は、社労士の「独占業務」ではありませんし、
他士業等とも競争の激しい分野でもあります。
それよりも、世の中の関心が高まっている社会保障制度や、その他、
労働関係諸法令を中心とした分野で、ポジションの確立を図りたいという
意図があるのではないでしょうか?
なお、試験委員の中には、いわゆる「人的資源管理」が専門の大学教授等
もいらっしゃるので、決して作問ができないということではありません。
また、社労士にとって密接な分野であることは間違いありませんから、
今後、再び出題される可能性は十分にあります。
決して学習の範囲から外すことのないようにしましょう。
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~本日の論トレ(論点トレーニング)~
以下の設問について、「誤っている箇所」を指摘してみましょう!
<平成24年度 労働基準法 第2問E>
派遣元の使用者は、労働者派遣法第44条第2項における労働基準法の適用に
関する特例により、労働時間に係る労働基準法第32条、第32条の2第1項等
の規定については、派遣先の事業のみを派遣中の労働者を使用する事業とみ
なすとされているところから、これらの特例の対象となる事項については、
労働基準法第15条による労働条件の明示をする必要はない。
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誤り箇所の指摘だけではなく、正しい「解説」を加えてくださいね!
では、誤っている箇所を赤字・下線で示します。
派遣元の使用者は、労働者派遣法第44条第2項における労働基準法の適用に
関する特例により、労働時間に係る労働基準法第32条、第32条の2第1項等
の規定については、派遣先の事業のみを派遣中の労働者を使用する事業とみ
なすとされているところから、これらの特例の対象となる事項については、
労働基準法第15条による労働条件の明示をする必要はない。
労働条件の明示義務は、「派遣元」の使用者が負います。
つまり、派遣先の使用者が労働基準法上の使用者としての義務を負うべき
「労働時間等」に関する事項についても、派遣労働者に対する労働条件の
明示義務は、労働契約の主体である「派遣元」の使用者が負います。
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