過去のつらい経験や、取り返しのつかない失敗、ひどく傷つけられた記憶などは、思いがけないときに蘇って、いつまでも人の心を悩ませるものです。
たったひとつのうっかりミスで、上司からの信頼を失ってしまったとき。信じていた恋人に裏切られて、泣いたとき。大学受験の日に寝坊して、遅刻して動揺し、実力を発揮できなかったとき。
そういう、嫌な記憶ほど、いつまでも心から去ってはくれません。
嫌な記憶が蘇って、落ち込みそうなときは、「風過ぎて竹に声を留めず」という禅語が心を癒してくれるでしょう。
竹林に風が吹けば、葉がこすれあってサヤサヤと音を立てます。 しかし、風が過ぎ去ってしまえば、竹林はもう音を立てることはありません。

「人もまた、過ぎ去った出来事のために、いつまでも心を揺れ動かし、思い悩んだり、悲しんだりすることなく、風が過ぎ去ったあとの竹林のようにあったほうがいい」 そう教える言葉です。
過去の出来事について悩んだところで、そのときに戻ってやり直せるわけではありません。 時間は巻き戻せないのです。 過去から学ぶことは大切ですが、過去を嘆くのは時間のムダです。
でも、過去をやり直すことはできなくても、未来に向かって人生をやり直すことはできます。 これからの人生をどう生きていくか、前向きな気持ちで考えていれば、嫌な記憶が蘇っても、それに引きずられることが、次第に減っていきます。 それが、自分のために、もっとも賢い生き方になるでしょう。
過ぎ去ったことは、きれいに忘れ去る
「いいこと」がいっぱい起こる!禅の言葉より











