芭蕉の句に「よく見れば なずな花咲く 垣根かな」という句があります。
「なずな」とは「ぺんぺん草」のことです。普段は雑草扱いをされ、注目されることもないので、また花がとても小さくて、見過ごしてしまうかも知れません。
でも、ちょっと気にとめて見ると、「なずな」は「なずな」なりの美しい花を咲かせていることに気づきます。そうして、しばらくその花を眺めていれば、きっと心も和んでくるのでしょう。
芭蕉は、そんな小さな発見をして、小さな幸福感を持つことができたのです。それを伝えたくて、この句を残したのではないでしょうか。
もし、気にもとめずに垣根の前を通り過ぎたなら、この美しい花にも気づくことはなかったのです。注意して見てないと「ある」ものも「ない」ものになってしまうのです。
私たちの毎日も同じで、「喜び」という小さな花は、いつも自分の周りにたくさん咲いているのに、気がつかないだけなのかも知れません。

見ようとしないから、美しい花の存在に気づかず、ただの垣根だと思えてしまうのでしょう。
また、バラや菊のように、大きく色鮮やかなものだけが花と思い込んでいるから、小さな花には目がとまらないということもあるでしょう。
そうして「毎日がつまらない」「何も楽しいことはない」と嘆いてしまうことになるのかも知れません。
でも、心に余裕を持って、あるがままに自分の垣根を見てみれば、きっと綺麗な花が見つかるでしょう。
気をつけて見てみれば、他にも小さな花が色々と、たくさん咲いていることにも気づくことでしょう。
それぞれの花は、自分の持つ美しさで輝いています。 そういう花の美しさを楽しむことができること、それが本当の幸福なのかも知れませんね。
幸せのぺんぺん草。G