たとえ、もう好きでなくても | seekerのブログ

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雑感、皮肉、ココロモヨウ、好きなこと、お買い得、時事・・・
身勝手な俺が繰り出す、書いた本人もろくに覚えていない言葉の集合体

部屋の隅にそれはある。

引越を重ねても、それは捨てられずについてきた。

けれど、それが登場する機会はもうない。

 

たとえ俺が望んでも、

もう「できない」のだ。

 

あれほど好きだったけれど

もう好きじゃない。

 

 

思い出に提供できるほどの「空間」もない。

 

だから

捨てようと思う。

 

 

それはどこかへ運ばれ

どこかで灰になるのか

どこかで土へと還るのか

 

この手を離れた後のことは知らない。

 

 

思い出に提供できるほどの「領域」は

心の中にもない。

 

だから

わずかな思い出も、次の日には消え失せ

もう思い出すこともないだろう。

 

 

そうやっていくつもの

消滅を見送ってきた。

 

人にしろ、モノにしろ。

 

 

いいとか悪いとかじゃなく

そうやって俺は生きている。

たぶん、誰だって。

 

 

けど、それを手放すと決めた時、

少しだけ悲しんであげる。

 

たとえ、もう好きでなくても。