こくごの時間  雁須磨子  (追記有) | 世界の隅っこで読書するパンダ

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妄想体質ゆえ、あらぬことを口走ってます。。。

こくごの時間 (A.L.C.DXもっと!)/秋田書店
¥734
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あらすじ:


忘れていたあの時間、あの文学、あの気持ち。国語の時間に読んだ本がつなぐ「あの頃」と「今」。

教科書オムニバス・ストーリー!!


おすすめ: 星星星





十五の心  石川啄木


くまの子ウーフ  神沢利子


走れメロス  太宰治


夕焼け  吉野弘


言葉の力  大岡信


小僧の神様  志賀直哉


山月記  中島敦


少年の日の思い出  ヘルマン・ヘッセ




↑この8作品を雁須磨子さんは“国語の教科書の中で印象深かったもの”として取り上げてまして。

ふむふむ、半分くらい知ってる。


私は次の8作と、作品名の思い出せない詩を1作。

この9作品がなんか忘れられませんの↓




一つの花  今西祐行


白い風船  遠藤周作


蠅  横光利一


モチモチの木  斎藤 隆介


きつねの窓  安房直子


注文の多い料理店  宮沢賢治


こころ  夏目漱石


少年の日の思い出  ヘルマン・ヘッセ

(雁先生、私もっドキドキ


タイトル不明の詩  室生犀星

(浅間山・牛か馬・雨 がモチーフだったと思う)




雁須磨子さんのお陰で得たこの機会

子供の頃に向き合ったお話たちを思い出す機会

なかなかいいもんだー(´∀`)



著者名やタイトルがあやふやな物ばかりだったけど、ネットで調べたら結構分かる。

室生犀星 作の詩だけが判明しなかったけど。

なんか、“牧草地に驟雨が降ってる”的な侘しい詩だった気がするんですよね~。

一緒にNくんというクラスメイトの顔がなぜか思い浮かぶけど、その理由は思い出せず汗




ヘッセの短編はそのまんま漫画化されてますが、それ以外の7作は作品を題材にした雁さんオリジナル。

ガツンとインパクトがある物は正直少ないのですが、ちょろちょろと「あ~わかる」ってトコがあっていい


一番好きなのは、私コレでした↓




☆*゚ ゜゚*☆*゚ ゜゚*☆




《5時間目 「言葉の力」  大岡信》



つけま目派手系女子高生×メガネメガネ地味系男子高生


こういうね、なんかジャンル違いの2人がフと接近していく様を描かせたら、雁須磨子さんはめっちゃスゴイ!

たった18ページ。

彼らが恋のスタート地点に立つまでのお話。


「つけまつげ」と「樹木」。

この2つの材料だけで絶妙な一品を作り、味見だけさせて終わるという。

超絶いじわるだけど超絶絶賛したくなる、この作品ビックリマーク


おかわりプリーズおにぎり




☆*゚ ゜゚*☆*゚ ゜゚*☆





《課外授業 「少年の日の思い出」  ヘルマン・ヘッセ》



蝶の収集に夢中な少年たち。

主人公のカールくん(12)は、友人のエーミールくんに対して非常に複雑な感情を持っていた。

そして、まだ欲望の制御が完全でないこの時期特有の行動に出てしまうのだな。


エーミールの大事な蝶を(ほんとは蛾だけどね。ヒエ~ッあせる)盗み出す。

我に返って返したものの、その蝶はポケットの中で壊れてしまっていた。


浅はかで 劣等感と承認欲求渦巻くカール。

(わかるけど、、、バカチンだな)

出来が良過ぎて全くそんなカールを慮れないエーミール。

(そんなもんだ。優等生だもん)


つかず離れずの友人関係が完全に消滅するという、遣る瀬無いお話(涙)


はあ。

子供時代のトラブルって世界が終わるほどの破壊力。。。


雁さんの描くエーミールがまた エーミール以外の何者でもないビックリマーク


カールの自業自得とはいえ、居た堪れないわ。

うう、エーミール。

そんな目で見ないでくれ~~(>_<)




☆*゚ ゜゚*☆*゚ ゜゚*☆




太宰治がやっちまった「下衆発言」話もおもしろかったです


ふはは~(^∇^)






メモ追記



記事UP後、ブロ友S様からメッセージをいただき、なんと私が探していた詩を言い当ててくださいました!

信じられないことに私ったら作者名からして違ってた汗

全然“浅間山”でも“室生犀星”でもなかった。。。


三好達治「大阿蘇」だったのです。

ウン十年ぶりにその詩を読み、感動しました。

んで、持っていた“侘しい詩”というイメージが覆りました。

重みはあるものの スケール感ハンパなし!

いい詩だわ~~。


いやそれにしても、自分の記憶の当てにならなさに驚愕でしたあせる

でも、のどの奥の魚の小骨が取れた感というか、、、、スッキリしてよかった。

や~何でも書いてみるもんだなぁ。


S様、ほんとにありがとうございましたドキドキ






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