仕事を終え、帰宅の途に。車を運転中、信号
待ちに。ふと、前の軽トラックの荷台に視線が
行く。そこには、茶色い物体、足がある。豚の
ような鼻が見える。
「猪だ!」
2頭の猪が仕留められたのだ。体には、血の
ような色が見える。
青信号に。軽トラックの走行による振動の
たび、小刻みに震える突っ張った足。それを
10数分に渡り、見続けることとなった。
荷台にそのままではなく、カバーをかけるなど
して欲しかった。運転者はその猪を仕留めた
本人だろう。何の気にも留めないでいられる
だろうが、それを見せつけられる者の身にも
なって欲しかった。
とは言いながら、僕自身も、動物の肉を食べる
時がある。きれい事と言われれば、そうなのだろ
う。
人間が動物たちの住処を荒らし、奪い、生きる
ために仕方なく人里などに出れば、
「危険だ!」
「農林業大損害!」
と「駆除」される。
勝手な人間たちによる、動物たちこそ、本当の
被害者なのだと、いつも思っている。