それは、僕が小学2年生の頃のことです。
この年の4月、「帰ってきたウルトラマン」のTV
放送が始まりました。それまで、毎日、夕方に
「ウルトラマン」、「ウルトラセブン」の再放送を
見ていました。「再放送」と言っても、僕にとって
は、本放送と同じ、初めて見る物でした。
そんなある日、新聞の番組欄を見ていると、
(自慢になるかもしれませんが、僕は、小2の頃
には、新聞を読んでいました)
「あれ!?こんな所にもウルトラをやって
いる!」
その日の夜7時に、「帰ってきたウルトラマン」
が、掲載されていたのです。
楽しみに待ち、見ました!面白い!それから、
毎週欠かさず見続けました。
その年の夏休みだと思います。家族みんなで
高松へ行った時、三越のレコード売り場で、
「帰ってきたウルトラマン」のレコードを見つけ、
買いました。
家に帰ってから、わくわくしながら、レコードを
ジャケットから出す、レコードプレーヤーの針を
下ろす、さあ、もうすぐ、曲が始まります。
イントロが終わり、さあ、いよいよ、歌が始ま
る!・・・次の瞬間、僕は、奈落の底に突き落とさ
れたような気分になったのです!
「歌っている人が違う!!」
そんなことなど、夢にも思っていませんでした。
ショックでした。当然、テレビと同じ歌が流れる
物と思っていた僕は、本当に悲しかったです。
その気分は、今でも残っています。
テレビと同じ団次郎さんの歌だったら、もっと
もっとたくさん聴いたのに、そのせいで、ちょっと
しか聴きませんでした。
何年か経ち、この作品の利益を上げるため、
幾つものレコード会社から、何人もの人が出して
いたことを知ります。それは、この作品に限らず、
よく有ることのようです。この数年前には、そんな
ことはありませんでした。
こういうことをする人たちに言いたい。
「誰に向かって仕事をしているのか?」
子ともが見る番組で、子どもが予想もできない
ことをやり、悲しむ子どもたちの顔を想像すること
ができないのでしょうか?僕は、49年も、この
悲しく寂しい想いを抱き続けているのです。
それが、最近、ユーチューブで、団次郎さんの
お歌いになる主題歌がアップされていることを
知りました。
番組開始の「アイキャッチ」から続く主題歌、
ちょうど、テレビ放送の画面とぴったり合って
収録されています。テレビ放送では1番のみなの
で、2~3番は、物語の始まりから、順を追って
名場面とともに聴こえてきます。これがまた、
素晴らしい!編曲も、オリジナルが最高です!
今、満たされなかった日々を取り戻すように、
連日聴いて、堪能しています。