杜撰な捜査、思い込み等で、無実の人が悲劇の運命を
背負わされる・・・冤罪。中には、恣意的に、犯人に
仕立て上げる事も。最近も、それが晴れる例があり
ました。
冤罪とは、少し違いますが、それに通じる出来事が、
昔、僕にもありました。
小学二年生のある日。当時の給食は、パンが主食の日
が殆どです。(給食についての詳しい事は、また、別の
機会に。)
その日も、いつものコッペパンです。その横側を縦に裂き、
小さな銀紙を開き、中のマーガリンを、そこに塗り付けて
食べていました。
その、マーガリンの銀紙は、教室のごみ箱に捨てるので
はなく、給食室に返すのが決まりでした。
それが、1個、ごみ箱に捨てられていたのです。さあ、誰が
捨てたのか、という事になりました。でも、誰も名乗り出ま
せん。
そこで、先生(女性)が、「(隣の)図書室に、1人ずつ来な
さい」とおっしゃいました。1人なら、名乗り出られるとお考え
になったのです。
早速、1人ずつ行きました。でも、全員が行ったのに、誰も
名乗り出ません。先生が、「もう一度、来なさい」とおっしゃい
ました。そして、どんどん続く中、僕の番になりました。
僕は、「このままでは、いつまでも続いてしまう」と思い、
「僕が捨てました」と言いました。
すると、先生は、僕を叱るのではなく、「よく、本当の事を
言ってくれた」と、僕を抱きしめたのです。
(でも、本当は、僕じゃないのです!)
そして、二巡目の後、先生が、この件が、解決した事を
みんなに伝えました。
その時、本当にごみ箱に捨てた子は、どんな気持ち
だったのでしょう。本当の事を言えなかった事の後悔、
反省、つらさがあったのでしょうか。
当時も、今も、その子への恨みは、まったくありません。
ただ、たま~に思い出しては、
「その子が、その事を引きずっていなければいいな」
と思うのです。
幼い日の、懐かしい出来事です。