仕事で路地を歩いていると、食事時には、換気扇
から、調理の匂いが運ばれてきます。その瞬間、
いつも、思い出すことがあります。
それは、母が、僕たち、兄弟に、ご飯を作ってくれて
いたこと、その出来上がったいろんな料理です。
焼き魚、団子汁、混ぜご飯・・・たくさん、たくさん、
おいしい物を作ってくれました。
自分では、手の込んだ物は作りませんし、同じ物を
作っても、とても、あの味は出せません。
二度と、母の味を味わえなくなって、今冬で9年。
今でも、「ああ、あの料理を食べたいなあ」と、
時々、叶わぬ夢を思い浮かべてしまうのです。