僕は、落葉樹の一年間に、人の一生を重ねて
見てしまいます。
春。若葉が芽吹きます。それは、どんどん数を
増していきます。成長期の子どもたちのように。
初夏~夏。萌黄色だった葉は、見事な濃い緑に。
青春期から、働き盛りの頃と言った感じでしょうか。
秋。美しい紅葉。果実も実ります。それは、
それまでの人生で得た財産。経験、家、子どもたち、
家族の幸せが十分に実ったと実感できる頃でしょう
か。
晩秋。美しかった紅葉も、風に吹かれ、散って行き
ます。年齢を感じる事も出てくるでしょう。子どもたちも
独立し、夫婦2人だけの生活になる場合もあるでしょう。
冬。子どもたちにすべてを教え、与えた後の2人。
そして・・・。
再び、春が巡ってきます。親の愛情は受け継がれ、
また、新しい命が産声を上げます。
そんな事を想像しながら、今、寂しい木々の姿を
眺めています。