夏休みと言えば、真っ先に頭に浮かぶのが、小学校の
運動場です。毎日、図書室に本を借りに行った時の、
あの、広い運動場。何本もあるポプラの木の根元には、
セミの幼虫が出てきた後の穴が幾つも。また、そこに
幼虫がいる事もありました。頭上からは、そのセミたち
の賑やかな大合唱。鮮明に憶えています。
その行き帰り途中の畑。黒々と、よく肥えた土から、
何匹ものカブトムシと思える大きさの幼虫が道に放り出
されていました。平地の畑にそんなにカブトムシの幼虫
がいるとは考え難いですが、大きさがコガネムシなどと
は明らかに違い、カブトムシの幼虫と同じでした。傍を通
るのが怖かったです。
帰宅して、宇高国道フェリーのCMの後、「ジャイアント
ロボ」や、「河童の三平 妖怪大作戦」、アニメの「キング
コング」などを見ていたのも懐かしいです。
NHK教育テレビもよく見ました。まず、先生から見るよう
に薦められていた「セサミストリート」。あの主題歌、内容
もわからないまま、楽しく見ていました。
にんぎょうげき。中でも、「そんごくう」は好きでした。何回
かの連続で、「ごくうー暴れん坊、ごくうーだあい好きだー」
という主題歌が使われていました。歌詞も、メロディーも
憶えています。
早朝のラジオ体操も懐かしいです。近所の家に地区の
小学生全員集合。元気よく体操をした後は、あのカードに
はんこを押してもらうのが楽しみでした。
こうやって、小学生時代のことが次々思い出されるのは、
それほど、その頃の自分が幸せだったからなのでしょう。
ただし、宿題の苦労はありましたが・・・。
次に、中学生時代。「GO わんぱく原始人」という、
上条恒彦さんが、子ども達と野外体験をする番組で、2年
間見て、次の年も楽しみに待っていたら、もう、以後は
ありませんでした。残念でした。
その頃。「明治プクプク」という、ジュースの素の固形を
水に入れ、かき混ぜていると、甘い、小さなビスケット
が浮かんでくる物があり、好きで、よく飲んでいました。
毎年、夏休みには、家族全員で、高松に行きました。
僕にとって、当時、高松に行く事は、旅行と感じていまし
た。もちろん、日帰りですが。そして、高松に行くこと=
三越に行く事でもありました。小豆島には無い、高い
建物、「いつも祭りか」と思うほどの賑わい。三越では
エスカレーターに乗るのも楽しみでした。屋上の遊園地、
特にモノレールが好きでした。当時は、ジェットコースター
だと思っていましたが・・・。
矢野大サーカスを見たり、今は無き、「マリンパーク」に
行ったり。そこでアシカを見たり、生涯唯一のお化け屋敷
体験もしました。もう、怖くて怖くて、たまりませんでした。
やがて、兄が途中で別行動をするようになったり、一緒
に行く事自体が無くなり、両親、僕、弟の4人となりました。
中1。モントリオールオリンピックに夢中でした。日本は
当時、とても強く、男子体操5連覇。(しかも、策略をはね
のけての栄冠!)女子バレー金メダル。柔道、レスリング
・・・。僕が今まで見てきたオリンピックの中で、一番思い出
に残っています。あ、「コマネチ選手も。」
高松に向かう船のテレビでも放送されていました。この時
は、父、僕、弟の3人でした。(母は、当時あまり体調がよく
ありませんでした。)そして、これが父と高松に行った最後
になりました。当時、松本ちえこさんの「恋人試験」という
曲がヒット、よく流れていました。今でも、この曲を聴いたり、
思い出したりすると、「ツ~ン」とくるものがあります。
夏休みの思い出。甘く、懐かしく、ちょっぴり切ない記憶の
宝石箱です。