Dean&Deluca
入り口の張り紙「2019年9月16日 3:00pmをもって閉店します」
私はそんな紙には目もくれず、いつものように店内に入って行ったのです。
いつもは入り口付近には世界中の果物、野菜等がお洒落に並べられています。
それはそれは美しいディスプレイで、今の時期には日本の柿、さつまいもも。
それが何も無い!
中に進むとケースにはお寿司がそれはそれはぎっしりとだったのに。
随分お高いけど、と思わず手に取りたくなってしまう巻き寿司、握り、丼物等のお寿司は、どこに?
もうこの時間に売り切れたのかしら?
夫に張り紙を見るよう促され、驚き嘆きましたね。
もう45年以上年前になります。
ニューヨークのソーホーに我われは3ヶ月ほど住んだことがあります。
当時ニューヨークは荒れて治安も悪かった。
それでもジャズを愛する夫やミュージシャンにはニューヨークは特別の街です。
ソーホーは倉庫街だったので、大きなスペースを安い家賃で借りられたのでしょう。
アーティストが多く住んでいました。
それからニューヨークは治安もよくなり、綺麗な街になって行ったのです。
ソーホーは大きなスペースが確保できる、ということからでしょう。
ブティックやレストランが沢山乗り出して来て、お洒落な街へと変身したのです。
ニューヨークはどんどん街並みが変わってゆくのが凄いです。
1988年、小さなチーズ専門店から出発したDean&Delucaはソーホーの地に店を構えたということです。
その頃にはソーホーがお洒落な街になり始めていたのでしょうか。
私もその頃か?ディーン&デルッカを見つけて「何と素敵な!」とすっかりファンになってしまったようです。
私のようなファンが大勢いたのでしょう。
ニューヨークを訪れる度に店が増え、さらには日本までも、いや名古屋にも。
9月16日は雨が降り、スケジュールを変更してソーホーに行ったのでした。
予定としては翌日訪れることになっていたのです。
もし予定通り翌日に店を訪れ、「昨日で閉めました」となったら悔んだことでしょうね。
閉店間際の店内です。
長い間ファンだったソーホーのDean&Delucaがなくなってしまう、本当に寂しい!
「新しいフードカルチャーの創設」としてソーホーから出発したここのディーン&デルッカは今後どうなるのか?
(創業者のディーンとデルッカはとうの昔に権利は売ってしまったとのことですが)
会社としてのディーン&デルッカは勿論健在でしょうが。
最後のニューヨークであろう?この機会に最後の瞬間を観れたことは、なにかの縁だったのかな。
大好きだったソーホーのこの店に別れを告げることが出来ことは、幸せだったのかな。