引越し | いとう とみこの美味しいブログ

いとう とみこの美味しいブログ

イタリア料理教室やグルメ食べ歩きをのんびりと書いていこうと思います。

10/10日の感動した引越しの模様をちょっと書きました


引越し
      1014・10・23
     

 やっと落ち着いた。
 10月10日の引っ越しに向けての準備、引越し後の片付とハードな日が続いていた。

 今回は一軒家から狭い?マンションに移るのである。収納も限られのでかなり意を決して整理した。よく見るとわが家の家具は大きい。後には娘家族が住むので、マンションには大き過ぎるというか、残しておきたいというか、そんな家具がかなりある。それに後からでも運べるという気軽さもある。場所を取るからと旅行用バッグやらも置いてもらうことも出来る。
 

 とは言っても、一番の難題は夫のレコードである。棚のスペースから夫は3,000枚と決め、5月の連休中に選別いていた。かなりの量を人に上げたり、中古屋さんに引き取ってもらった。CDもしかりである。レコードはけっこう良い値で売れた。レコードはもう作らないからである。それに比べCDは何度でも生産できるので価値がないらしい。この作業は夫にとってかなり辛いことだったかもしれない。すべてそれなりに大事なものであっただろうから。

 しかし今回の引っ越しは物の整理という意味もある。何十冊もある家族のアルバムはマンションには収納不可能。後々には一冊にして息子と娘に渡そうとは思っているが、今は申し訳ないがレコード室の一角に置いてもらうことにした。持ち込めないものの一つにお仏壇がある。マンション用に家具調の小さ目を購入した。我々より一層狭いスペースになった義父と義母、天国から「仕方がないなー」と諦めていることだろう。

 引越し当日は有難いことに晴天。連日のパックでもうヘロヘロ。朝8時きっかりにアート引っ越しセンターの面々がやってきた。前日に段ボール詰めは運び出したのだが、まだまだ諸々の物が山とある。


 前々から危惧していた夫の書棚(高さ190cm、幅180cm、奥行き35cm)も残っている。家を建てた30年前に松坂屋関連の誠工舎に作ってもらったものである。真ん中部分を引き出すと机になり、レコードも入るという書棚。これが本当にしっかり作ってある。しかも分れないのである。オーディオとレコード用の棚(高さ193cm、幅337cm、奥行き48cm)は6つに分かれるので問題はない。もっともこのオーディオラックが入るマンションということが購入条件だった、大事なものなのだが。
 

 どうやってこの大きな書棚を家に入れたのか、私はまったく記憶がない。夫はこの搬入のときニューヨークでレコーディングだったらしいので、私が立ち会っているはずなのだが。アートのチーフ、K氏の働きは凄かった。階段から下すことは不可能だと判断したK氏、南の私の部屋のドアを外した。このガラスドア、ペアガラスで開けるのも重い代物だ(そういう技術も持っているのも凄い)。そしてベランダから3人がかりで下したのだ。下では若者3人が待ち構えて、トラックに積み込んだ。私は見ていて感動していた。「今度はマンションに入れられかしら?」と不安に駆られながら。
 

 午後1時、マンションで待つ我々の所に次々と荷が運び込まれ、次々に指示をしていた。段ボールの山で足の踏み場もない。ウォーキング・クロゼットに入りきらない私の服に手を焼きながら、段ボールを片付けていた。
 K氏が大汗を拭き拭き、真っ赤な顔で入ってきた。
「書棚を上げました」
 

 勿論大きすぎる書棚は、エレベーターには乗らない。人海戦術で9階まで釣り上げてきたのだ。私はその光景を目の当たりにしていなかったことが残念!
 そして今度は夫の部屋に入れ込むという難事業が待っている。3~4回いろいろな入れ方でやっと成功した。なんという快挙! と思いきやカバーを外すと裏表が逆であった。既にベッドも居座っている6畳の部屋で向きを変えるのも大変だ。やっと所定の位置に収まった時は、思わず拍手だった。
 

 このK氏、釣り上げる前に紙で型を作って、入るかどうかの予測をしていたのだ。勝算ありと判断し、困難な作業に踏み切ったのだ。何としてもやり遂げるというプロの仕事を見せてもらった。K氏をみていると損得勘定のない野武士のように思えてくる。クールなサブのO氏とのコンビがまたいい。
 

 マンション第一夜、夫はその日ベッドの中で疲れた頭で考えたという。「どうやって誠工舎は棚を神村町の家に運び込んだのだろう」と。そして考え付いたのだ。後から手すりを取り付けたことを。
 

 そーだ、10年くらい前だったか、私が階段からぶち落ちてしまって、それから手すりを取り付けてもらったのだった。こんな10cmほどの手すりの幅が不可能にしたのだった。謎が解けたとはいえ、引越し屋さんには気の毒なことをしたものだ。

 しかしあんな大きなものを何個かに分けもせず、よく作ったものだ。それよりもマンションに持ってこようとした我々も我々だ。
 

 マンションに引越してよくわかった。昔のものはしっかり作ってある。本物だ。そして重~いと。