もう今日で三日もあの人の顔を見てない…遠征でもないのに、こんなこと初めて…
私…何か、あの人を怒らせるようなこと…しちゃったかな?こんなに、毎日家に帰れないほど仕事が忙しい?それとも…もしかして他に好きな人でも出来たとか?
友達にもいたわ…妊娠中の旦那さんの浮気…
ううん…彼は絶対そんなことしない…しないよね…?しないはず…
これがマタニティブルーってやつなのかな…小さなことで落ち込んで哀しんで…泣いて笑って…
いつもの私より、感情の起伏が激しいから、そうなのかもしれない…
チェ・ヨンに逢いたい…声が聞きたい…抱きしめて欲しい…
このままだとどうにかなってしまいそう…テマン君がずっと護衛のために付いてくれているけど…私はテマン君と結婚した訳じゃないわ。
典医寺に行ってみようかな…チェ・ヨンに王宮で逢えるかもしれない…
怒られるかな?でも帰ってこないチェ・ヨンが悪いのよね!そうだ…口実にお弁当を作って持っていけば良いのよ!
喜んでくれるかな?彼の好きなものばかり詰めたんだけど…
「テマン君…あの…お願いがあるんだけど…典医寺に行きたいの…連れて行ってもらえる?」
「え、えっと何をしに行かれますか?大護軍に、家で医仙様を守れと…い、言われてます」
「そうなの…?どうしてもだめ?じゃあ一人で行くからいいわ」
「そ、それはだめです!はぁ…わかりました」
今にも泣き出してしまいそうなウンスの顔を見て、わかりましたと馬車の御者を引き受け典医寺へ向かう。
王宮に着くとすぐにウンスは辺りを伺う…
「テマン君…あ、あの…チェ・ヨンはどこかな?渡したいものがあるんだけど…」
「え、えっと~あ~~探して来ます!」
「ごめんね…典医寺で待ってるわ」
「わかりました。お、お一人で大丈夫ですか?」
「ふふ、大丈夫よ、ありがとう」
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「これ!医仙ではないか…もう出仕せぬのではなかったのか?どうしたのじゃ?赤子に何か?」
「いえ、ちょっと…色々あって落ち込んでるんです」
「ふぉふぉふぉ…どうせあやつの事であろう?大護軍はほんに己の気持ちを表すのが下手な輩じゃ…もっと素直になれば良いものを…そなたもじゃぞ?医仙よ…」
「ええ…わかっています…でもこんなうじうじした私を見られて嫌われたくないの…突然来て嫌がられたら?帰ってくれと言われたら…そう考えたら怖くって。でもね…パク先生…私には他に帰る場所もない…」
「医仙は大護軍に、他に女子がおるとでも思うておるのか?あやつがそのように器用なわけがあるまい!」
「そうですよね…本当はわかってるの…でも少し疲れちゃったみたい…部屋で休んでますね?」
「そうじゃの~赤子がおると2倍疲れる!その分よう寝るのじゃ」
ウンスはにこっと微笑んで自分の部屋に下がって行った。
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「侍医!イムジャ…医仙はここにおるか?」
「遅かったの~医仙は疲れたからと部屋で休んでおる…」
「テマン、頼む、見てきてくれぬか」
「は、はい!」
「大護軍よ…噂は聞き及んでおる。そなた…なぜ家に戻らぬのじゃ?どれほどに医仙が待っておるか、わからぬわけではなかろう…」
「イムジャが何か申したのか?俺とて限界である…しかしあと少しの辛抱だ」
「て、大護軍!!い、い、医仙様が部屋にい、居ません!!」
「なんだと?テマン!イムジャを探せ!必ず見つけ出せ!急ぐんだ!!」
「は、はい!」
テマンはあっという間に消えてしまった…後を追おうとしたチェ・ヨンを止めたのはパク侍医だった…
「大護軍…そなた何故家に戻らんのじゃ?」
「侍医には関係あるまい!」
パク侍医は、チェ・ヨンの身体を透視するかのように眺めていた。
「ほほぉ…熱があったのじゃな?風邪のようじゃの…それで感染さぬように、医仙に逢わんかったのか?」
「…」
チェ・ヨンは侍医に言い当てられ、言い返す言葉がなかった…
「やはりそうか…大護軍…そなたの護り方は間違うておる!本当に小さき男じゃのぉ!良いか?よく聞くが良い!医仙はのぉ…医員ではあるが、今はただの子を孕んだ女子じゃ…風邪などより何が今の医仙の身体に悪いか…教えてしんぜよう!」
「早く申してくれ!このままでは心配で何も手につかぬ!」
「孤独じゃよ…孤独が一番今の医仙の身体に良くない…わかるか?大護軍よ!?不安にさせることもまた然りじゃぞ。医仙はお前さんにずっと側にいて欲しいのじゃ…大護軍が天界より医仙を攫って来たのじゃろう?親や友人、天界の暮らし…全てを捨てさせたのはお主じゃないのか?今一度…よく考えよ!お前さんの他に、医仙は誰を頼れば良いのじゃ?わしか?テマンか?全く…そんなこともわからんで何が亭主じゃ…」
「孤独…不安…」
「ああ…そうじゃ…大護軍よ。天泣という言葉の意味を知っておるかのぉ…」
「天泣…知っておる。雲一つない晴天なのに雨が降ることであろう。狐の嫁入りとも言われている」
「そのとおりじゃ…天泣とはまさしく医仙のことだと思わぬか?いつも明るく微笑みを絶やさん…だがその心の中は雨が降っておることもあるのじゃ…お前さんには見えていると思うたのじゃが…」
かつての友に言われたことを思いだした…“あの方は笑顔の裏に隠すのがお上手だから…”と奴は言った…わかっていたはずなのに…
俺は何をやっていたのだ…この爺でも分かることを…
「イムジャを探しに行ってくる。侍医…ありがとう」
「ふぉふぉふぉ…早う行くのじゃ…医仙の様子が変じゃったのでわしがトクマンを呼んだのじゃ。トクマンが来た時にはもう医仙はおらんかったがのぉ…すぐに後を追ったので見つかっておると良いのじゃが…」
「ふっすまぬな侍医よ…お主の言葉…肝に銘じておこう」
「ほれ!医仙が待っておろう!早う行くのじゃ!」
______私…どこにも行くところがないのね…この時代の人間じゃんないんだもん…当たり前か…
どこへ行こう…天門に行こうかな…このお腹で?あっ…でもお金もない…私って何も持ってないのよね…
チェ・ヨンに…逢いたい…な…








皆様おはようございます

今日は朝から頑張りました
(´Д`)ハァ…
まだ水曜日

早く花金になぁれ

今週は仕事が忙しく

おもろい後書きが書けません

もうちょっと待っててちょ

皆様からのオモロイ小噺募集中

仕事に虐められている私を

癒して~~


ファイティン



