「ソナ、最後にもう一度だけ聞く。本当にこやつで良いのだな?」
「はい。チェ・尚宮様…彼しか考えられません。ジフさんと共に生きて参りたいのです。どうかお許しを。」
と、二人で頭を下げられ、
「…ようわかった…。お前の父には私から口添えしておこう…。お前たちのしつこさには負けたわ!」
「ありがとございます!」二人の弾むような声が重なった…。
「お許し頂いたところでもう一つ…ご報告が。まだ絶対とは言えぬらしいのですが、ソナに赤子が出来たかもしれぬと、医仙様が…。」
「なに?!医仙!誠であるか?ソナに子が?」
「えぇ…叔母様、そんなに顔近づけないで…ふふ。あともう少し経てばはっきりとわかると思うけれど…おそらく私の診断に間違いはないと思うわ。今はふた月というところね。」
「順番が違うが、兎に角目出たいことには変わらぬ!ソナ、でかしたな!父上が喜ぶであろう。」
「そういえば…高麗で初めての出来ちゃった結婚なのかもしれないわね!さすがジフ君よ!」
「こうしちゃおれぬ。早速ソナの家に参らねば…。」
ジフとソナも一緒に行くと言ったのだが、具合が良くなってからにしろ、今日は一人で行くから大丈夫だと、チェ・尚宮は行ってしまった。
チェ・尚宮…味方につけばこれ程に、心強い者はいないのである。
「はい。チェ・尚宮様…彼しか考えられません。ジフさんと共に生きて参りたいのです。どうかお許しを。」
と、二人で頭を下げられ、
「…ようわかった…。お前の父には私から口添えしておこう…。お前たちのしつこさには負けたわ!」
「ありがとございます!」二人の弾むような声が重なった…。
「お許し頂いたところでもう一つ…ご報告が。まだ絶対とは言えぬらしいのですが、ソナに赤子が出来たかもしれぬと、医仙様が…。」
「なに?!医仙!誠であるか?ソナに子が?」
「えぇ…叔母様、そんなに顔近づけないで…ふふ。あともう少し経てばはっきりとわかると思うけれど…おそらく私の診断に間違いはないと思うわ。今はふた月というところね。」
「順番が違うが、兎に角目出たいことには変わらぬ!ソナ、でかしたな!父上が喜ぶであろう。」
「そういえば…高麗で初めての出来ちゃった結婚なのかもしれないわね!さすがジフ君よ!」
「こうしちゃおれぬ。早速ソナの家に参らねば…。」
ジフとソナも一緒に行くと言ったのだが、具合が良くなってからにしろ、今日は一人で行くから大丈夫だと、チェ・尚宮は行ってしまった。
チェ・尚宮…味方につけばこれ程に、心強い者はいないのである。
「二人共、おめでとう。幸せになってね?それから妊娠中の注意事項…この書を良く読んでね。じゃ、私は家に帰ってるから…いつ帰っても良いし、ここに泊まっていってもいいわよ。ふふ」













ウンスは、母子手帳のようなのを典医寺の医師に手書きで書いてもらい配っているのだ。このお陰で、だいぶ流産等が減ってきていた。
二人はウンスに礼を言い、久しぶりに触れ合える愛しい人の体温を、時間のたつのも忘れいつまでも確かめ合っていたのだった。
✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎
次の日…
ソナの体調も良くなり、早々に彼女の父親の所へ、共に挨拶に行くことにした。ジフは近付くにつれ、ん?と何かを感じる…。ここは…どうも記憶の片隅にある道…。
着いた先は…子供の頃通っていた、この辺りでは有名な道場であったのだ。家の近所に新たな道場ができ、そちらに移るまでの間、ここに1年ほど通っていたのである。
「ソナ…まさかお前の家ってここか?父親はあのイ師範なのか?」
「……知ってるの?ここがうちなのよ。父は…そうね、イ師範と呼ばれているわ。」
「えっ?…じゃあ…お前まさか、あの泣き虫姉ちゃんか?」
「えっ!?その言い方…あなた、もしかしてあの時のおちびちゃんなの?」
二人、顔を見合わせて大笑いしてしまった。
「こんなことってあるのね?なんで今までわからなかったのかな。ねぇ…覚えてる?あなたは幼くて忘れてしまったかしら…、父に怒られてばかりいて、陰でメソメソ泣いていた私に…あなたが言ってくれた事…。」
「なんだっけか?忘れちまったな…それにしても、ソナがあの時の…泣き虫姉ちゃんだったとは…綺麗になって、だいぶ胸も成長したから気付かなかったな…。良し!早く師範の所に行こうぜ!」
ジフは、何か言いたげなソナの手を掴み、かつての師範に会いに行く。
チェ・尚宮のおかげももちろんあるが、子供ながらに剣術の飲み込みの早かったジフの事を、ソナの父親が覚えてくれていたので、話はすんなりと進んだ。
酒でも呑もうと父親に誘われ、遅くまで二人は酒を酌み交わす。ソナもジフの隣で時折愉しそうに笑みを浮かべていた。それを見たソナの父親が、改めてジフに向き合った。
「このようなソナは初めて見るやもしれぬ…。娘を頼んだぞ…ジフ。」
「はい、必ずやお守り致します。師範…」
その日はだいぶ、遅くなってしまったので、ソナの家に泊めてもらえる事になった。
風呂上がり、一人で出来るわと恥ずかしがるソナの髪を乾かしてやった後、ジフはソナの手を引き、庭へ散歩に連れ出した…。
少し歩くと、ソナの胸程の高さの椿の木に囲まれている場所に着き、二人は周りから隠れるようにその中に座る。
「ここだったよな…。泣き虫姉ちゃんがいつもこっそり泣いていた場所…椿の木はあの頃よりだいぶ大きくなったけどな。」
「えっ?さっき、忘れたって…。」
「嘘だよ…忘れるわけねぇだろ?覚えてるよ、全部…。俺がもっと強くなって守ってやるからもう泣くな…大人になって、姉ちゃんより背が高くなったら俺のお嫁さんになってくれ…だろ?」
「……うん。昔からあなたは生意気だったわよね…」
「あの時、ちびだった俺は膝を抱え泣いてるソナに…いや女に初めて口付けってやつをしたんだからな。まだガキだったが、あの時の俺なりに本気だったんだぜ。緊張と興奮で、身体の中に炎でも飼ってるようだったんだ…。」
「…あなたの初めても私の物だったの?」
「あぁ…そういうことになる。ソナに初めて恋した瞬間かな…。あれから何度もお前に恋してる…ソナ、お前は俺のものだ…」
「…ずっとあなたを待っていた気がするわ…あなたといると一人きりじゃないと思えるの。」
ジフは秋風にそよぐソナの髪に、長い指を絡め自分へ引き寄せ、熱い唇をソナに落とした。暖かく優しい心を溶かすような口付けだった…。
ジフは秋風にそよぐソナの髪に、長い指を絡め自分へ引き寄せ、熱い唇をソナに落とした。暖かく優しい心を溶かすような口付けだった…。
「また、師範に怒られて泣いてんのか?もう泣くなよ…俺がもっと強くなって、姉ちゃんが戦わなくてもいいように守ってやるから。」
「何言ってんの、おちびちゃん…大丈夫よ。ちょっと目にゴミが入っただけ…」
「……俺は確かにチビだけど、大人になって、姉ちゃんよりデカくなったら俺のお嫁さんになってくれないかな…」
「私より強く、背も大きくなったらね…」
「約束だぞ!これはその印だ…」
「あっ……?!えぇ…」
男は女の最初の恋人になりたがるが、女は男の最後の恋人になりたがる。
Men always want to be a woman’s first love. Women like to be a man’s last romance.
Men always want to be a woman’s first love. Women like to be a man’s last romance.













おはようございます

長かったジフ&ソナ物語にお付き合い下さりありがとうございました

まさか、こんなに長くなるとは思わず

でも、書いていてとても楽しいキャラでした
もちろんヨンとウンスが一番ですが、毎日書いていたので、少し胸焼け気味だったのですね
もちろんヨンとウンスが一番ですが、毎日書いていたので、少し胸焼け気味だったのですね
いくら好きな食べ物でも365日は食べられないでしょ
なので、少し違うキャラを書いてみたかったんです
なので、少し違うキャラを書いてみたかったんです
あっ!そのうち番外編書きますからね

婚儀の模様をお届けしたいです

そして…あとがきならぬ言い訳



テーマ「紫丁香花」←ラベンダーですね
花言葉が初恋
ということで、二人の初恋話を…。
花言葉が初恋
ということで、二人の初恋話を…。タイトル「見知らぬ己」←自分ですら気付かない、心の奥底にいた自分(己)に目覚めた二人…。
って説明せんときっとわからないですね

またもや、タイトル失敗か

まぁいつもの事なのでお許しを

そうそう、それから昨日の台風

風攻にて、食堂の窓ガラス木っ端微塵にしていきました
めちゃくちゃ忙しいのに2時間も片付けに追われ
めちゃくちゃ忙しいのに2時間も片付けに追われ
人が居ない時で本当に良かった

大怪我してるところでした

皆様の地域はいかがでしたか

大丈夫だったかしら

コメ返ですが、最終話読んでない設定で返して良いですか



メッセ頂いてる皆様も、もう少しお待ち下さいね
ちゃんと読ませて頂いてますからね
ちゃんと読ませて頂いてますからね
ちょいと今、パニクりそうなくらい忙しくなって

次のお話も考え中なので、もしかしたら更新出来ないかもです

では、今日も一日アンニョン


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