自分の得意な武器を使い、勝ち抜き戦をやって行くのだ。武器と言っても、もちろん怪我のないよう槍の代わりに竹を使ったり、剣の代わりに木刀を使う。大抵はそのどちらかだ。相手が女子とあって、素手対木刀で闘おうとする気骨のある奴も中には居るが、負ける事が多いのは情けない事である。
女子と言えど、鍛えて居るのはチェ・尚宮であるし、子供の頃より武芸に触れてきた者たちがほとんどを占める。
相手の力が強ければ強いほど、その力を利用し何倍もの力が出せる武芸もあるようだ。なかなかに侮れない女子達である。
まぁ、そうでなければ王妃を守れるのだが…。大抵、10人対10人で闘う。
武閣氏は、今日も精鋭のみ10名…。中でも一人見慣れぬ女子がいた。
その女子は、影のようにチェ・尚宮の後ろに控えていた。武閣氏の青い外套を頭から被り顔は全く見えない。しかし、その全てに隙がないとチェ・ヨンは思った…。さすが叔母上であるな…。女子をここまで鍛え上げるとは…。かなりの力量とみた。
その女子はこの合同訓練に加わることがなかった。武閣氏はまだ4人目…迂達赤はいくら新人を出しているとはいえ、もう8人目が敗れてしまった。叔母上がほくそ笑んでいるのが見えた。
チェ・ヨンはイライラしながら、チュンソクを睨みつける。
ー…チュンソク、お前はちゃんと訓練をしておるのか!この様はなんだ!それとも何か?女子相手に本気は出せぬからとでも言うつもりなのか?
ーはっ!大変申し訳ありませぬ!一から鍛え直す所存でございます!
苦虫を潰したような顔で、しばらく考えていたチェ・ヨンだった。
ーこのまま、武閣氏に負けるわけには行かぬ。叔母上に何を言われるか…。仕方ない、ここはジフを出せ!
ージフですか?それは…。あいつは、何時も嫌がるのですよ。それこそか細い女子相手に本気は出せぬと…。
ーでは、お前が出るか?チュンソク…!
これは訓練ではあるがこのままでは陛下に顔向け出来ぬ。ジフ!ちょっと来い!
遠巻きに見ていたジフが、走ってやってきた。
ージフ!これは命だ!残り6名全て倒して来い!良いな?
ー俺ですか?まぁ命令とあればやりますが…。女と戦うなんて性にあわねぇ…。どうせ戦うなら布団の中で…いてっ!
ジフはチェ・ヨンに蹴りを入れられ仕方なく前に進み出た。
今度は武閣氏がソワソワと浮足だつ。何せ相手がいつもは参加せず、見ているだけの迂達赤一のもて男のジフである。女子達の方が本気を出せぬようだ。負けてしまった者達が叔母上にドヤされていた。
ジフは、相手に全く怪我をさせぬよう次々に片付けて行く。
とうとう最後の一人…チェ・尚宮の後ろに控えていた女が、青い外套を脱ぎ捨て前に出る。
迂達赤から溜息が漏れる。その女子は他の武閣氏とは異なる衣服を身につけていた。身体の線がはっきりとわかる、ピシッとした黒い服を着ており、その手足はスラリと長い。顔は日焼けしており、猫のようなきりりとした瞳は冷たく澄んでおり、艶かしい桃色の唇をしていた。かなり美しいと言える部類に入るだろう。歳の頃は30位であろうか…。
ジフは、この女から立ち昇る殺気に、さすが大将戦に出るだけの事はある、これまでで1番危険な相手だと気を引き締め直した。
ーはじめ!
チュンソクの声が響き渡る。















今の私のイメージ図入れるの忘れてました!
ジフ



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遅くなりました


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