私達は元気です。
でもね、最近チェ・ヨンが良くうなされて起きる事があって…。はじめは知らんぷりしてたんだけど、あまりに続くから彼に聞いてみたの。何か嫌な夢を見てるんでしょって…だけど、なかなか話してくれなかったわ。大きな大きな傷が心にあるんだと思うの。心理学の授業で習ったわ。そしてね、この間やっと話してくれたの…。
彼ね、私と出逢う前、婚約してた人がいるの。前に手紙に書いたかしら?
メヒさんて言うとても綺麗な女の子だったらしいわ…。
そう、過去形なの。彼女、自ら命を絶ってしまったらしくて…。
チェ・ヨンがまだ22歳の赤月隊の隊員だった頃の話しよ。今の恭愍王の兄、忠恵王に赤月隊が呼ばれ、ただ1人の女であったメヒさんにそいつが裸になれと言ったそうよ!頭に来るわね!私が居たら蹴り飛ばしてやったのに!
彼女は、最後まで下着が脱げなくて…。当たり前よね。沢山の人が見ている中、しかも愛するチェ・ヨンが後ろに居るのに、裸になれだなんて…!同じ兄弟でも、恭愍王とは大違い!こんな奴が世襲制だからと王になるなんて!
忠恵王は、もともとこの赤月隊が邪魔でムン・チフ隊長を殺して、解散させたかったようなの。なぜかって?ただ、自分より赤月隊が人気があるからよ。ただ、それだけのために…悔しい…
忠恵王は隊長の鬼剣を抜き、服を脱がなかったメヒさんを、王命に逆らったと刺そうとしたらしいの。そこを、間にムン・チフ隊長が割って入りチェ・ヨン達赤月隊の前で刺されて亡くなった…。
メヒさんは、自分の所為だと責め続けていたのね…。自分が隊長を殺してしまったと…。
ここまではね、私の情報網から仕入れた話なの。
でも、当事者にはもっともっと辛い出来事があって…。
彼はいつもね、私が落ち込んでいると何にも言わず、その腕に抱きしめてくれるの。それで心がとても救われるわ。だから、彼がうなされて目を覚ますたびに同じようにしてあげていたの。
そしたら、少しずつ話してくれたわ。カウンセリングの始まりね…。
メヒは必ず守ると言った俺を、信じてくれなかった…。俺の荷物になってしまうと…。荷物になってくれたら、俺は笑って生きていける。俺を助けてくれ…。そう頼んだのに、あの日…
二人の思い出の児手柏にあいつの鞭を掛け、首を吊って…。俺がやっと探し出し抱き下ろした時には、冷たく硬直していた。
その感触が今でも残って居るんだと、彼は両手を見つめて居たわ。
私はその手を掴んで、私の身体に回した。私は冷たくないわよと…。私を抱き締めてって…。
俺は生きている限り、あの時のメヒを思い出さなけりゃいけないのに、それをメヒは考えてくれなかった…。俺はあの時どうすれば良かったのだろう…。
彼はとてもこのトラウマに苦しんでいたわ。医師として、彼を愛する者として私は彼を治療しなければと思った。
トラウマを乗り越えるには、それを過去の事だと本人に認識させること。映画を観るように何度もその時の事を頭に想い描き、その映像の中に居るのは今の自分ではない、映像の中の彼がしているのだと思えるようになるまで…。そして、最後にこれは終わった事だと自分に言い聞かせるの。
苦しみが深い分だけ、時間は長くかかったけど、寝る前に続けていたら収まったわ…。やっと克服してくれたみたい。
チェ・ヨンにね、あなたは悪くないのよ。メヒさんもね…。もうあの時の二人を許してあげてって言ったの…。私は、絶対にあなたを遺して逝ったりしないから。
あなたを信じているわ…と。
彼、私を抱き締めながら泣いていたわ…。ありがとう、イムジャが俺の生きる理由ですって…。最近ね、思った事を口にしてくれるようになってね、ふふ。前は返事をするだけだったのに。
私が良く言うのよ。口に出さなきゃ想いは伝わらないでしょって。
あっ、そろそろ彼が戻る頃だわ。
また手紙書くわね!
1373年2月 ウンス
ーあの子、心理学の勉強とても好きだったのよね。外科に進むのに何故かしらと思って居たら…。これも運命なのかしらね…。
ーあぁ。チェ・ヨンさんの心の傷を治してあげるためだったのかもしれないな…。いつからお前とチェ・ヨンさんの縁(えにし)は始まって居たんだろうな…















おはようございます

お住まいの地域、台風は何事もなく過ぎ去ってくれたでしょうか

え~今日は、チェ・ヨンのトラウマ

治してあげたくて…

強いチェ・ヨンではあるけれど
きっとメヒとの事は心に大きな傷になってるのではと…

甘くもなく…ちょっと暗いお話で

ウンスのカウンセリングにて完治

今週は明日行けばお盆休み

わーい

では、今日も一日アンニョン


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