ーありがとうございます。あなたが連れて来て下さらなかったら、また連れ戻されている所でした…。もう何度逃げ出した事か…。
ピョルは感じて居た。この人は心を和ませてくれる人だと…。男の人は苦手な筈なのに、話しているとホッと心が安らいでくる自分に気づく。
ーわ、私にできる事があれば、何でも言うて下さい。それに、大護軍と医仙様は本当に良い方たちですから、遠慮などせずここに居て下さい。居づらいと思うて、ちゃんとあなたに仕事も与えて下さいますから。
ーはい…。本当に感謝して居ます。
ーでは、少し休んで下さい。外で護衛しておりますから。
ーあっ…もう少し居て下さいませんか?
そう言って、出て行こうとしたトクマンの袖口を掴む。
ーえっ?はっ、はいっ!ずっと居ますっ!
トクマンは自分の心臓が壊れるのではないかと思うほど、ドキドキしていた。
トクマンは、ピョルを寝台へ連れて行く。
ーここにおりますから、少しお休み下さい。
ー…ありがとう。
そう言うとピョルは目をつぶり安心して眠りについた。
トクマンは彼女の美しい寝顔に見惚れていた。頬にかかった髪をよけてあげようと、そ~っと髪に触れる。その瞬間、また胸がきゅ~っと、痛くなる…。
俺…どうしたんだろう。後で医仙様に診て頂こう……。
その頃、ウンスは考えていた。トクマンくん、上手くやってるかしら。ふふ。あれは完全に一目惚れね!まぁ、あれだけ綺麗な子だから無理もないわね。
でも、まず彼女の心を治療してあげなければ…。うちには動物は居ないから、アニマルセラピーって訳にも行かないのよね…。
子供と触れ合うのも同じような効果がある筈よ。明日から、双子の面倒をみてもらおうかな…。
それに…トクマンくん…彼の子供のように素直な優しい心に触れるのも、セラピーになるわ。犬っぽい所もあるしね、あはは!
それにしても、なんで彼女がこんなに気になるのかしら…。あっ…!出逢った頃のチェ・ヨンに似てるからだわ…。彼もあんな目をしてた…。それなら、いつかきっと心を開いてくれるわね…。トクマンくん、あなた次第よ。アジャ!!
向日葵(ひまわり) 愛慕・貴方を見つめる
R様の所よりお借りして来ました…。

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