頭の芯がぼーっとする…目も開けられない…
どーして?
さっきチェ・ヨンとご飯食べて休んでたのに…ここは?
ねぇねぇ!ちょっとそんなに揺れ動かないでよ!
お腹が痛いじゃない!
チェ・ヨンてば肩に担ぐなんて…
言葉にしようと思ったが、痺れていて、思うように口も動かない。それが幸いしたようだ…私どうしたのかしら?
ん?チェ・ヨンならこんなことはしないわ…私が少し手に痣を作ったり、火傷しただけでも大騒ぎなのに…私をこの世界に連れてきた時と違うんだもん。肩に担いだりは絶対しないはずよ!今は…お姫様抱っこ専門よね?じゃ、私は誰に担がれているの?
ウンスは、気を失った振りをしながら考えていた。
私ったらもしかしてまた誘拐されたわけ⁉︎
ゆっくりと薄目を開けて様子を伺う…
やっと目が開いた…痺れ薬でも嗅がされたのかしら?身体が言うこと聞かないわね…
うーん…どうもそのようね…
それにしても、こいつ私を担いでこのスピードって何者なの?…あーもう揺れて吐きそうよ…
チェ・ヨンは大丈夫かしら?
チェ・ヨンに何かしたら許さないわよ!
…きっと大丈夫!まだ将軍になって居ないもの。彼は長生きしなくちゃいけないの…
歴史がそうなんだから、信じなきゃ…
少しずつスピードが落ちてきた。
ーここまでくれば、大丈夫だろう…
皆戻れ!お前はこの女を連れて行け。
後は、お前達5人ばかり念のためついてゆくのだ。徳成府院君様は天門近くの馬車でお待ちだ。夜明け前にこの女を連れて行かねばならぬ。本当はこの女の医術は我ら黙家も欲しいところなのだか…徳成府院君様には逆らえぬ。急げ!
…そういうことなの…どうしたらいい?
天門はくぐりたくないのよ。
きっとそう言っても聞くようなキ・チョルじゃあないわね…
チェ・ヨン、ここには来ないで…
お願いだから…
死んでゆくあなたを残して…
そのフレーズが頭から離れないの。
だからここに来なければ大丈夫かもしれない…
お願いよ、チェ・ヨン…
私なら大丈夫だから。
考えるのよ、ウンス…
