消えた小さな命…8 | 信義〜♪ 私の中の3巻…(シンイ・二次小説)

信義〜♪ 私の中の3巻…(シンイ・二次小説)

シンイの二次小説を書かせて頂いております。
読み終わった後に、心がほんわかあったかくなるような、物語を綴っていきたいです。

王がチュンソクの方へ歩み寄って来た。
嘘がつけない、真正直のチュンソクの顔は焦りがにじみ出ていた。

「誠か?」
王が問うた。

チュンソクは目を泳がせ…

「そなた達は余に隠れ、チェ・ヨンと通じていたのか?」キレ気味に王が言った。

チュンソクは諦めたように
「王様」
と膝まづいた。周りにいた迂達赤も膝まづく。
ー隊長、やはり某では隊長の代わりは出来ませぬ。部下達を守れず合わせる顔もございません。


武器を取られた迂達赤達の兵舎に、官軍を引き連れたキ・ウォンがやって来た。

「逆賊、チェ・ヨンの手先ども、じきに隊長の悪行は暴かれよう。潔白だと思う者はこの兵舎に留まり自重しておれ。もし反逆の気配を見せようものなら迂達赤の兵舎は火の海になると覚悟せよ!」

それだけ言うと帰って行った。

「どういうことです?」トルベは泣きそうであった。
「隊長は牢獄ですか?」いつも明るいトクマンも焦っていた。みな自分の心配ではなく隊長チェ・ヨンを心配しての事だった。

その頃江華郡守アン・ソンオの屋敷に、狩人に連れて来られたチェ・ヨン達3人は着いていた。

アン・ソンオの兵達がバタバタと全ての門を閉めている。
狩人がニヤリと笑った。

3人は屋敷の長い廊下を歩いていた。
中庭にたくさんの花が咲いているのをウンスは見ていた。

ーあれはハッカかしら?

向かいからアン・ソンオが走ってきた。

「アン・ソンオが慶昌君様に拝謁いたします。」

「そうか、ソンオ久しぶりだ」

ーこの女人が天界から参ったという医仙か?

「医仙様ですか?」

「えぇ、まぁ…初めまして」
ーもう医仙てなんなのよ。私は医者!医者なの。でもめんどくさいからいいわ。

「そなたが迂達赤の隊長…」

ーあーもう挨拶なんか後にしてよ!この子が具合悪いの、見てわからないの?

「すみません、先に慶昌君様を休ませて下さい。ご挨拶は改めて…。」

「ではこちらへ」

ーチェ・ヨンは落ち着かなかった。なんだろう…何かの気配がする。


部屋に通され、慶昌君様は布団に横になっていた。その横にウンスが腕枕で横になる。
こんなことが出来るのはウンス位であろう…

「いかがですか?」

「前ほど痛くない。医仙の薬は良く効くんだな。あれは天界の薬か?」

「ううふ、あっ、庭にハーブが植えられていました。ハッカがあったら鎮痛剤を作ってみますね。ひんやりする湿布が作れるかも。」

「あの呪文も効果があるぞ。」

「呪文?」

「あんた 何てぇ者?私を痛めつけて何様だい?」そう言って慶昌君様はほほえんだ。

ーこの子はこんなに小さいのにたくさんのものを背負っている。たった一人で。
私に出来ることは少しでも痛みを和らげてたくさん話を聞いてあげること位しかない。


中庭でアン・ソンオとチェ・ヨンが話していた。

「罠とな」

「はい」

「王が信じてくださると思っておるのか?」

「はい」

「故に王命が下るまで待つと?」

「そうです」

「ん~その話、確かなのか?」

「信じてください。疑わば郡守様もこんな危険は冒しますまい。」

「さよう。廃位 幽閉された先王の擁立を企む迂達赤の隊長と並んで歩いているのだ。危険極まりない。」

「その上かくまってくださる。」

「そうだ。はっはっは。」

「実は私もご厚意を訝しく思っております。」

「訝しいか…」

「私のためとは考えがたく、まさか本当に慶昌君様を擁立するおつもりか?」

ーこやつ、武人ごときで頭も使うのか?

「はっはっは」

「どうなのです?」

「そなた、チェ・ヨンだったな?」

「はい、そうです」

「私は国の禄を食べておる。それを子子孫孫に残すには何が大事か」

「子孫のことなど考えたこともなく…」

ーウンスが中庭をあるいてきた。
   チェ・ヨンはつい目で追ってしまった。

「いつか機会があればお教えしよう。そなたが納得ゆくまで。」

ーチェ・ヨンはどうでも良かった。

早くウンスの所に行きたかったのだ。

ウンスはハーブをつんでいた。

周りにはたくさんの花がさきみだれ、その中にいるウンスは誠の天女のように美しかった…

ーこの方は何をされておるのだろう…見ていて飽きることがない。それに 花がよくお似合いだ。つい口元が緩んでしまう。

「なにをされているのですか?」

「鎮痛剤になる薬草をね。これ、はっか。ペパーミントよ。私の好きなカクテルにも入ってるの。カクテル モヒート。あー飲みたい!お美味しいのよね」

「慶昌君様の所にもどらねば。」

「ここなら安全でしょ?心配なら先に戻ってて。」

ーチェ・ヨンは戻ろうか迷った。でもウンスを取ってしまった。
もう少し見ていたくて、話がしたくて…


「でも鎮痛剤の作り方が問題なのよね。汁を絞り出すのかな?煎じるのかしら?」

「イムジャ、わからないのですか?」

「私たちの時代、医者は薬を作らないから。製薬会社が大量に作って薬局に卸すの。医者は薬の名前をパソコンに入力するだけ。私が使いたい薬は全部コンピューターに…」
ーまたやっちゃった。チェ・ヨンさんと二人っきりで緊張してるのね。こんなこと話しても彼にはちんぷんかんぷんなのに…

「はいどうぞ」と黄色い小菊をチェ・ヨンに渡した。

「なんですか」

「あなたにあげる」
ーまっすぐ私を見つめてくれる。真っ黒な優しい瞳。その目で見つめられると苦しくなるの…

「もどりますよ」
男に花を?全く…この方は    ふ~~~

「ちょっと待ってよ。ちょっとじっとして!」

「何で?」こんな近くにこの方がおられると落ち着かぬ。

「じっとしててよ。何か付いてるみたい。ここ、おっ?何かしら、変ね」
ーぶーーーっ!爆笑なんだけど
めちゃくちゃかわいい
いつも真面目な顔ばっかりだから、たまには笑ってよ…

「ウケる!似合い過ぎよ!あははっ!」

チェ・ヨンは耳に花をかけられた事に気付き、花を払って落とした…
はぁぁぁ~この方は…

「楽しいですか?」
こんなことで、こんなに笑うてくれるのか…本当に楽しそうに…イムジャが笑って居ると心が軽くなるのは何故だろう…

「花のいい香りが貴方の血の匂いを和らげてくれるわ」

ー彼には少し血を流さないで過ごして欲しい。初めは血も涙もない頭のおかしなサイコだと思ったけど、彼は優しい人よ…
いつも私を守ってくれている。今も慶昌君様の所へ行けば良かったのに、私が心配で居てくれた。ありがとう…


ー花を貰うなど産まれて初めてだった…

   イムジャをこの地にお連れしてから、心はざわめくばかりだ。いつもの俺なら、何の感情も持たず、常に冷静に周りを見極め対処出来るのだが…
でもイムジャだけは、行動が予測不可能で何をしでかすかわからず、ほおっておけない。それに、周りも黙ってはおるまい。あの容姿に医術…今はキ・チョルだけだが、他にもイムジャを狙う者は多かろう…
必ずお守り致しますゆえ、側にいて下さい…

チェ・ヨンは、落ちた小菊を見つめていた…


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はぁ~この、チェ・ヨンドツボですラブラブ!本当にかわいい恋の矢

明日もお仕事なのだこの辺でパー


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