
庄野真代 & JACROTANGS / CINEMATIQUE
庄 野 真 代 & JACROTANGS
『 CINEMATIQUE 』
一人の女と三人の男たちの奇跡の物語
[OMCA-5035盤]
2013.10.2.発売
JACROTANGSというタンゴジャズグループとのコラボレーションアルバム。
アルバム曲を含む自身のセルフカバーを中心に、カバーあり、オリジナルあり、JACROTANGSによるインストありと、バラエティーに富んだ選曲ながら、タンゴという音楽的要素を核にして聴かせてくれる音楽劇場と言ったような趣きのアルバム。
メロウ。やっぱりメロウなのである。
真代さん、きっと、こういったミディアムなテンポでまったりまろやかな雰囲気を醸し出しながら歌い表現、伝えることがお好きなんだろうなぁ。そんなことを感じる。
それでいて、歌声に伸びやかさを感じる。ラフな伸びやかさ。心地いいんだろうな。
残念ながら私は原曲を知らない「ウナ·セラ·ディ東京」。ほどよい緊張感とまったり感が同居したようでもあり、所々にスパイスを効かせたようなアレンジがたまらなく、心地よく聴いた。
真代さんの歌の世界を楽しむきっかけになったアルバム『愛情』からの一曲「cinema」のアレンジを楽しめるのも嬉しい♪
そして、何と言っても衝撃的に新鮮だったのが、タンゴの革命児とも言われているそうピアソラの「ブエノスアイレスの夏」(かな?)を、イントロから大胆に引用、唯一テンポをもってキレよく聴かせる『飛んでイスタンブール』。大きな聴きどころのひとつ。こちらも思わず、キレよく体を揺らしたくなる。
ジャケットのアートワークも洗練されたスタイリッシュなオシャレさを感じてお気に入り♪真代さんのドレスの赤だけが映えてカッコよくも感じる。
明菜さんやWINKさんへの楽曲提供が印象深い作詞家·及川眠子さんがアルバムのキャッチコピーやオリジナルナンバーでの作詞など、その “ 言葉 ” で、 アルバムに花を添えている。
ゆっくりじっくり味わいながら穏やかに愛していきたいアルバム。
「珠玉の1枚」という言葉が似合う素敵なアルバム。
ありがとう、庄野真代さん。




