私は初めて行くのですが、毎年開催していて、今回は第六回目の開催です。
あくまで個人的な気持ちから開催しているとのことです。すごいです!
山梨出身である深沢七郎さんの偉大さを風化させないように、
こういう取り組みを続けている人がいるというのは、こちらまで元気をもらえます。
読みたいと思っていた「楢山節考」を直前に読み感激しきりでしたので、
どのような宴なのかも楽しみでした。

いよいよ開宴です。
主催されている山梨放送の荻野さんから、この宴を催すいきさつや、思いなどが語られました。
荻野さんは「音楽夢譚~ギタリスト深沢七郎」(平成15年民放連盟賞最優秀賞、文化庁芸術祭優秀賞)という番組の制作がきっかけのようでした。このあと観客の一人が持ってきた深沢七郎さんの幻のギターテープも聞けました。(深沢さんはギターの演奏家でもあります。その後に小説を書き始めました)
皆さんでこの宴を作っているアットホームさを感じました。
モブノリオさんと三上寛さんの対談(ギターの逸話などなかなかおもしろかった)の後、
三上寛さんのライブとなりました。
深沢さんから三上さんしか弾くことの許されていないギターも登場して大興奮です。
そして、沢山の歌手が歌っている「夢は夜ひらく」です。
初めて生で聞くことができましたが、圧倒されるパフォーマンスでした。
下のYOUTUBEより10倍は、パワーのあるもので、感激しきりなのでした。
これだけで来た甲斐があると思います。
一部歌詞がカットされてますが、元歌詞はhttp://plaza.rakuten.co.jp/ryoumagaiku/diary/200807140001/
放送禁止歌に指定されていたそうですが、それにしても放送禁止ってだれがどういう見識で決めるもんなんですかね。
実は今回このイベントを知ったのは、
ゲストに芥川賞作家のモブノリオさんがいらっしゃるので、本の販売を依頼されたからでした。
モブさんは荻野さんと一緒にお店にまでご挨拶に来ていただくなど、とても気さくな方でした。
煙草は最近やめているそうですが、興味深くずっとウィンドウを眺めていました。
そして一言
「煙草と本を売っている店なんて、すごいかっこいいですね」
ついぞ言われたことのないセリフに、そんなこと考えたこともなく動揺した私は
「それほどでもないっすよ」
と何故か、かっこつけたような、すかしたような言い方をしてしまい。ちょっと苦笑されました。
モブさんはすごく若くて(1970年生まれ)、音楽活動もしているそうです。
凡そ小説家に見えない風貌で(すみません)、アグレッシブな印象です。
それにも増して驚くほどに礼儀正しい方なのが印象深かったです。
本を買ってくれたお客様には丁寧にサインをして頂けました。
その丁寧さたるや、相手の名前の他に、判子を押して頂き、そして一人一人にコメントをつけてくれました。
一人当たり3分はかかったのではないでしょうか。
その丁寧な対応とは裏腹に、コメントはアナーキーなものもあり、おもしろかったです。
さすが音楽家兼芥川賞作家ですが、ここでは書き控えさせて頂きます。

荻野さんから始まり、三上寛さん、モブノリオさんといった人柄のすばらしさを感じられた宴でした。
深沢七郎さんに興味がもっとわいたので、他の作品も読んでみたいと思います。
モブノリオさんは、この人が書くものがもっと読んでみたいと思わせるような人でした。
現在、春光堂には、モブノリオさん「介護入門」「JOHNNY TOO BAD内田裕也」
深沢七郎さん「楢山節考」があります。