外回りからお店に帰ってきて、驚く話を聞きました。
「レジに次々と本を積み上げ、24冊お買い上げ頂いた」
というのです。
「300坪以上あるような大きな店舗なら、本好きな方が色々集めてきたりして、
それくらいは買うことも、日常的にあるのかな」、なんて羨ましげに思ったりもします。
しかし春光堂は30坪程の面積です。書店としては小さいです。
私がここで勤めてからの4年くらいですが、残念ながら今までなかった気がします。
「鬼平犯科帳」とか「ローマの物語」という連作をまとめて買って頂いたりすることはありますが、
今回の場合は長い時間滞在して棚を見て、色んなジャンルから買っていったそうです。
売り上げスリップを見てもそれが分かりました。
品揃えは「小さい書店、春光堂ならではの面白さを出したい」と、思っていたので、
「長い時間」楽しんでいただいた(はず)なのは、願っていたことで、とても嬉しく思いました。
ですが逆に、そのお客様はこの店の買いたい本を全て買ってしまったかもしれません。
そこで急に怖くなりました。
そのお客様が次回来店時も楽しめるように、今日と違った品揃えでお迎えできるかなと。
いきなり変化させてしまうと、頻繁に顔を出してくれるお客様にも、迷惑がかかります。
補充する本、新しく入れる本を決めて、棚を構築する必要が本屋にはあります。
少しずつアクセント、変化をつけていきながら、次回来店時への日々の取組みが大事です。