乱読する(154)
祖母姫、ロンドンへ行く! 椹野 道流
80歳を越えていた祖母が「イギリスでお姫様のような旅がしたい」という。
そこで認知症がある祖母と2人のロンドン旅行に行くことになった。
5つ星ホテルに泊まって、タクシーもバンバン使い、食事もお高いところで食べてる。
高齢者を連れて行くなら必要経費だが、いったいどんだけ費用がかかったのか気になる。
5つ星ホテルのサービス内容ってこんな事までしてくれるんだと。
さすがスタッフも含めてすべて一流だ。
祖母は旅行中いつもオシャレをして、観光もショッピングもすごく楽しんだ様子が伝わってくる。
(本を読んでると認知症のすごく初期だったんだろうけど、夜中ぐっすり寝ている祖母を置いて一人で遊びに行くなんて自分なら怖くて出来ない。)
崖っぷち母子、仕事と子育てに詰んで中国へ飛ぶ 浦上早苗
2009~2016年に中国で暮らした時のエッセイ。
途中からは幼い息子も一緒に連れてきた。
息子は現地の小学校に通った。
時々日本に帰るが、息子は日本と中国ではまるで別人になるという。
日本では空気を読んで上品に振舞い、中国では本能優先で自己主張する。
大連の動物園、100元(当時1元約15円)で動物にエサをあげれる所があった。
ある客が100元を渡すと、生きたウサギが虎のいる檻の中に解き放れて・・・
中国ではカフェのテーブルの上で1,2歳の子供におしっこさせているのを目撃したそうだ。
そのまま放置して帰って行ったそうだ。
ショッピングセンターのゴミ箱にさせたりもする。
カンニングを防ぐために荷物チェックしたり、カバンは教室の1ヶ所に集められる。
服や手も細かくチェックする。
絶対に不正をしそうにない学生が、カンニンググループの元締めだったりした事もあったそうだ。
日本で中国人によるカンニングなどが問題になってるが日本が甘過ぎるんだな。
日本に来る中国人のマナーがひどすぎるとニュースによくなるけど、自分の国でも同じ事をやってるんだな。
しかし悪い部分ばかりではもちろんなく、良い部分もたくさんあって、中国人の温かい人柄や臨機応変さなど素敵な話もたくさん書いてあって読んでて楽しかった。
色々な国から来た留学生と息子の交流話もおもしろい。
ある手芸中毒者の告白 グレゴリ青山
仕事をしなければと思いながら、その前に少し手芸をと。
そのまま手芸に没頭してしまい時間が過ぎていく。
手芸が楽しくてしようがないのが溢れている。
ファッション性は置いといて、着心地が良さそうな服だ。
ズボンなんて履き心地良さそう。
昔は服って結構な値段したし、手作りした方が安上がりだった。
それが中国製などが入って来ると、作るより買った方が断然安くなってしまった。
日本の縫製業は衰退するし、果たしてそれが良かったんだろうか?と今思う。
安いからばんばん買って、どんどん捨てていく。
昔はタンスの中の服も今ほど溢れてなかった。
よく吟味して服など買ってたし。
食べ物が語る香港史 平野久美子
香港の食の変化がわかっておもしろい。
食べ物に困った時代はバナナの皮のレシピが登場。
1998年ぐらいの出版なので、この本に載っているレストランは閉店してるのも多い。
特に個人の小さな店は後継ぎがいなかったら二度と食べれない。
今の香港は以前からいた住人は他の国へ移住してしまった人も多い。
新たに大陸から中国人がやって来て住人が入れ替わり、老舗の店などがどんどん閉店して中国本土の安いチェーン店が増えてるらしい。
最近の香港関係動画見たら閉まっている店も増えて街に活気があまりないというか。
はみ出しまくり看板もないので余計にそう感じるのかも。
谷根千、ずーっとある店 森まゆみ
古くから続く個人の店がたくさん掲載。
店を始めた頃は周りには何も無くて、っていうのが結構ある。
たくさんの人が地方から東京へ出て来て、徐々に家や店が増えていったんだな。
店の歴史や思いなどが知れておもしろかった。
バーテンダー
以前テレビで放送されてた時、たまに見てた。
ストーリーが結構おもしろいなと。
全話ちゃんと見直したいとずっと思ってた。
やっと見れたよ。
2011年放送なのでいつの間にか14年も経ってた。
東日本大震災があった頃。
月日が経つのが早すぎる。
今見てもおもしろいドラマだった。
品川区東大井2丁目 勝島運河
天才バーテンダーと呼ばれた佐々倉溜がどこへ行ったのか探し出す雑誌編集者の来島美和。
溜は船の家に住んでた。
訳あって今は違う仕事をしている。
他の仕事をしてた溜だが、またバーテンダーに復帰。
美和の祖父泰三にカクテルを披露するが・・・
お客様に合わせたカクテルを提供する。
それぞれのカクテルに深い意味があってなるほどなと思ったし、ちょっとした事で味が全然違ってしまうのも興味深かった。
この客は葉巻がポイント。
これでストーリーが展開していく。
溜の師匠の加瀬五朗。
葛原 隆一は「ミスター・パーフェクト」と呼ばれるバーテンダー。
溜は隆一とカクテル作りの対決をする。
お題にマンハッタンが出てきた。
(懐かしいお酒・・・すっかり忘れてた
長い間飲んでないけど、自分はマンハッタンのカクテルすごく好き。
家で作ってみようかな)
北方は溜の先輩で溜に色々教え込んだ。
北方は冷たそうな人間に見えるが、実は人を思いやる優しい人。
2人がよく行く さくら食堂
ここではいつもほっこり。
溜の父役、何と西郷輝彦。
新宿区 念仏坂