この事態を、神官涼平は冷静に観察していた。
「ライフポイント確認した。ハムは生きているな。あの人狼少年、別に食べる意図はなかったらしい。アントワーヌか」
見ればアントワーヌは公星を片手で背負い、ケネロー方面へ歩いてきた。
メリルは喜んだ。
「仲間になれそうだね、あの狼は悪い子ではないよ」
……犬猫仲悪くても、共通のエサのためなら団結するものだな。なんてファンシー。ファニー。ファンタジー。ハムよ永遠の星に……
涼平は報告した。
「疫病の細菌がなくなった……あの村助かったぞ! アントワーヌとやら、神の使者といえるだけの聖なる力を持っているな。これでこの冬は乗り切れる」
ロップたんはボケている。
「この冬でゴブリンご臨終、オークが多く亡くなり、トロルがトロリとトロケたって展開なら助かるなの~」
どっと脱力する一行。で、これを涼平は否定した。
「駄目だ。妖術師の疫病魔法は、完全に無効化された。これでは悪鬼どもの大半は生き残ってしまう……真理はもう魔法無理だろう? 百万軽くいる敵との大戦闘に備えて二、三日休まないと。さらにそれから雪解けまで戦力の拡充を……真理?」
真理は衰弱しきったのか、円卓に突っ伏して寝落ちしていた。
追い込まれてきたな……ここで、公星がアントワーヌに助けられて戻ってきた。ハムは意識が戻っており、どこも怪我はないらしい。
この場をこのメンバーでどう乗り切るか……緊迫してきた。
基本、黒魔法は地水火風の四種からか。参謀のおれは意見した。
「いや、火炎球爆発なんて大技使わなくていい。ロウソク程度の自在に浮遊できる鬼火魔法で、敵の弓の弦ことごとく焼き切ってやれれば」
涼平は答えた。
「そうか……消耗少ない魔法にして、効果は絶大だな。相手が火薬使っているなら余裕で爆破できる。放火の使い道次第では、マッチ一本だけで砦ひとつ潰せるか」
メリルが発案した。
「僕のアーリンなら、火矢を使うところだよ。たしかに有効だね」
おれは続けた。
「火器は決定的に思えて、雨で少し水滴垂れるだけで火薬は湿り発砲爆発できなくなる。ただの土くれも、敵の砲門に詰め込めば暴発する。風向きを変えれば射撃武器に左右するし、風下なら相手の匂いがわかり、風上なら毒を撒ける……これらをたたみかけよう」
ハムは閃いた様子だ。
「あ、天候を事前に予想して、温度湿度差からの結露の危険を考慮するべきですね。私どもの銃火器はこれによる不発に注意しないと」
メリルはさらに言った。
「銃が使えないなら、スリング投げ石があるよ。それも……真理さんが持っているような竹竿なら効果的に石ころばらまける。筒の中身に小石詰めて振り回せば、無数に飛んで行くから」
「好いですね。安価にして簡単、威力絶大」
千秋女将が口出しした。
「私の力、まだ戻らない……ここは時雨ちゃんに任せて、敵妖術師だけでも暗殺して回ってほしいわ。魔法の指輪任せるから」
時雨は肯いた。たちまち準備を進める。
「千秋ちゃんの命令には逆らえないよ。では僕は一人で潜伏するね。肉にチーズにピクルスその他……食料を確保して、行ってきます!」
公星 すまいるまいるさん
ロップたん にゃんたれママさん
メリル 初孤羅さん
アントワーヌ 片桐啓治さん
後書き そろそろ終盤が見えてきました。コラボキャラ活躍させます。アップは来週末に。
「ライフポイント確認した。ハムは生きているな。あの人狼少年、別に食べる意図はなかったらしい。アントワーヌか」
見ればアントワーヌは公星を片手で背負い、ケネロー方面へ歩いてきた。
メリルは喜んだ。
「仲間になれそうだね、あの狼は悪い子ではないよ」
……犬猫仲悪くても、共通のエサのためなら団結するものだな。なんてファンシー。ファニー。ファンタジー。ハムよ永遠の星に……
涼平は報告した。
「疫病の細菌がなくなった……あの村助かったぞ! アントワーヌとやら、神の使者といえるだけの聖なる力を持っているな。これでこの冬は乗り切れる」
ロップたんはボケている。
「この冬でゴブリンご臨終、オークが多く亡くなり、トロルがトロリとトロケたって展開なら助かるなの~」
どっと脱力する一行。で、これを涼平は否定した。
「駄目だ。妖術師の疫病魔法は、完全に無効化された。これでは悪鬼どもの大半は生き残ってしまう……真理はもう魔法無理だろう? 百万軽くいる敵との大戦闘に備えて二、三日休まないと。さらにそれから雪解けまで戦力の拡充を……真理?」
真理は衰弱しきったのか、円卓に突っ伏して寝落ちしていた。
追い込まれてきたな……ここで、公星がアントワーヌに助けられて戻ってきた。ハムは意識が戻っており、どこも怪我はないらしい。
この場をこのメンバーでどう乗り切るか……緊迫してきた。
基本、黒魔法は地水火風の四種からか。参謀のおれは意見した。
「いや、火炎球爆発なんて大技使わなくていい。ロウソク程度の自在に浮遊できる鬼火魔法で、敵の弓の弦ことごとく焼き切ってやれれば」
涼平は答えた。
「そうか……消耗少ない魔法にして、効果は絶大だな。相手が火薬使っているなら余裕で爆破できる。放火の使い道次第では、マッチ一本だけで砦ひとつ潰せるか」
メリルが発案した。
「僕のアーリンなら、火矢を使うところだよ。たしかに有効だね」
おれは続けた。
「火器は決定的に思えて、雨で少し水滴垂れるだけで火薬は湿り発砲爆発できなくなる。ただの土くれも、敵の砲門に詰め込めば暴発する。風向きを変えれば射撃武器に左右するし、風下なら相手の匂いがわかり、風上なら毒を撒ける……これらをたたみかけよう」
ハムは閃いた様子だ。
「あ、天候を事前に予想して、温度湿度差からの結露の危険を考慮するべきですね。私どもの銃火器はこれによる不発に注意しないと」
メリルはさらに言った。
「銃が使えないなら、スリング投げ石があるよ。それも……真理さんが持っているような竹竿なら効果的に石ころばらまける。筒の中身に小石詰めて振り回せば、無数に飛んで行くから」
「好いですね。安価にして簡単、威力絶大」
千秋女将が口出しした。
「私の力、まだ戻らない……ここは時雨ちゃんに任せて、敵妖術師だけでも暗殺して回ってほしいわ。魔法の指輪任せるから」
時雨は肯いた。たちまち準備を進める。
「千秋ちゃんの命令には逆らえないよ。では僕は一人で潜伏するね。肉にチーズにピクルスその他……食料を確保して、行ってきます!」
公星 すまいるまいるさん
ロップたん にゃんたれママさん
メリル 初孤羅さん
アントワーヌ 片桐啓治さん
後書き そろそろ終盤が見えてきました。コラボキャラ活躍させます。アップは来週末に。