病院の薬を飲んでいるひとが漢方薬を使うときの注意点 | 札幌中医学講座 漢方的食事で体質改善

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☆病院の薬を飲んでいるひとが漢方薬を使うときの注意点

 

以前講座に参加していただいた生徒さんから、漢方薬の使い方について、こんなご質問をいただきました。

 

「西洋薬をたくさん飲んでいる、または西洋薬をやめたいと思っている人には、まずは漢方薬と併用してもらうのがいいのでしょうか?(特に精神疾患、不眠、生活習慣病など)」

 

錠剤やカプセルなどの処方薬が大量のフリー素材

(画像はぱくたそさまからお借りしました。どうやって集めたのでしょう)

 

これ、「病院へ通っている方」「健康に不安があって漢方薬を考えている方」だけじゃなくて、「漢方/中医学を学ぼうとする方」「漢方相談を仕事にしようとしている方」みなさんにとても参考になる、良問だと思いました。

 

なので、こちらで解説いたします。

 

 

 

こうした疾患があって通院されている方が健康を回復するために、わたしたちが漢方相談で行うことには、優先順位があります。

 

それをお話しする前に念を押しておきますが、まず、「西洋医学を否定しない」ことを徹底していただきたいと思います。

 

わたしの見聞きしてきた範囲では、漢方相談の看板を掲げている方の中に、まず病院や西洋医学を否定して通院を中止させ、漢方薬だけで治療することを勧めるひとが存在するとのことです。

 

そんな人間も、自分が健康を損ねたら病院へかかるでしょう。

 

「病院のくすりは毒だから止めなさい」と勧めるひとがいたら、詐欺だと警戒しましょう。

 

毒だって、根拠があって、メリットがデメリットを上回るから使っているのです。

 

ここは、人柄でも親身に聞いてくれる嬉しさでもなく、理屈で判断してください。

 

漢方相談を志すみなさんは、決してこの誤った道へ進まないように。

 

 

 

で、核心の、「まずは漢方薬を併用するのがよいか」という質問ですが。

 

答えは、

 

Yes.

 

です。

 

もう間違いなく。

 

 

 

いきなり病院からのお薬を止めてはいけません。

 

漢方薬を使って不調が改善してきたら、処方薬をどうしていくか。

 

減らすか続けるか。

 

それは、ご本人さまが通院先の主治医の先生と相談して決めることです。

 

 

 

もちろん、ご本人さまはお薬を減らしたくて相談にいらしてます。

 

最終的に、病気じゃなくなれば、化学薬品のお薬を使う対象がなくなるのですから、不要になることもあります。

 

そこは目的で、目指すべき地点です。

 

実際に、病名のつくよく見られる疾患で、漢方薬と養生をしっかり行うことで、「もう治りましたね」と医師からお墨付きをもらうご相談者さまは多くいます。

 

 

 

確かに不眠や不安、生活習慣病は難しい面ありますね。

 

不眠は、眠れるようになれば、睡眠導入剤は終了するでしょう(そもそも導入剤なしで眠れるようになった時点で、ご本人はもう病院へ行く理由がありません)。

 

不安は、実は漢方薬がとてもよく効く不調です。

 

どちらも、「治ってしまえば化学薬品のお薬は要らない」でOKな世界です。

 

生活習慣病は、注意が必要です。

 

コレステロールを下げるお薬は、現在の不調を治すためのものではなくて、将来の病気を予防するものです(血管系の病気を防ぐ)。

 

家系的に、血管系の病気が多く見られた方は、漢方薬&養生で体調を整えることと並行して、コレステロール値は管理していくことにメリットがあります。

 

血圧を下げるお薬は、安定して血圧の値が落ち着いてきたら、徐々に減らしていく方、結構います。

 

どれをどのくらい減らしていくかは、ご本人が主治医の先生を相談して決めることです。

 

血圧も将来の病気予防の側面がありますから、無茶はいけません。

 

 

 

一方、統合失調症やてんかんのお薬は止めちゃダメです。

 

ご本人も体調がいいと、なんで飲んでいるのか分からなくなりがちですが、これらはちゃんと飲み続けてください。

 

 

 

たびたび社会問題になったりしますが、とにかく通院を止めさせようとする勢力と、わたしたち真っ当に健康相談を受けているひとたちが混同されないように、漢方相談側は正しくお手当をご提案していきましょう。

 

これから漢方薬を使おうかと考えているみなさんも、相談先はくれぐれもよく選んで、詐欺のような業者に引っかからないようにご注意ください。

 

また、漢方薬に夢を描いて、これさえ飲めば全部よくなる……のような何かがきっとある、という過度な期待もなさらないで。

 

身体を治していくって難事業なので、漢方さえ飲めばじゃなく、普段の生活に悪化の要因がありますから、そこを見直して行動を変えていくことも必要です。

 

 

 

最後にとっても良いご質問をくださった生徒さんに心からのお礼を申し上げて、本記事の〆といたします。

 

ありがとうございました!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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