☆治りたくないひとをどうするか
自分で自分を傷つけちゃうひとがいます。
不安で不安でしようがなくて、不安で動悸まで起こっちゃうし、夜もグッスリ眠れない。
病院のおくすりは何とか減らせているけれど、学校や職場へ戻れるのはいつ?
こんなみなさんは、「みんなと同じにできない」「みんなが普通にやってることができない」ことで自分を責め、さらに不安を強めてしまいます。
どうしたらそこから脱出できるのでしょう。
実は、こういう方、結構います。
そして、漢方相談にお越しくださる方もいます。
中医学では、こうした病態は、
●主に、「心」
のトラブルと考え、お手当をします。
※メンタルと聞いた途端、反射的に「肝」と思ったみなさんは要注意です
「主に」と書いた通り、心を中心に、脾・肝・腎・肺と、他の臓の働きもチェックしていきます。
「心」+αのそのひとの働きの乱れを整えていくお手当をすれば、不安・不眠といった症状は改善していきます。
ところが。
なぜわたしが今日このテーマを取り上げたかというと、友人が「こんな患者さんを、どうしたらいいんだろう」とSNSに書き込まれていたからです。
今日のテーマはかなり上級編ですね(笑)。
不安は、実は「望まない結果への拒否」だったりします。
自分は「ラクラクできるハズ」の人間なんだけど、実際にやってみて、その通りにできなかったら嫌だな(プライドが傷つく・恥ずかしい・許せない・などなど)。
さあ、やってみようとすると症状が出て、「軽々こなすところを見せようとしたら、●●のせいできなかった」。
●●のところには、環境が入るひともいますし、症状の入るひともいます(不安のひとはこちらです)。
「ああ、いるいる、そういうひと」と思いませんか?
やっかいなのは、このプロセスが全て「無意識」で行われていること。
そのひとの「意識」の範囲では、あくまで「真面目に取り組もうと思ってるし、コツコツ結果を出したいと願っている」んですよね。
この辺のお話は、中医学ではなく、心理学の考え方です。
これ系のワナにはまっちゃったひとは、「意識=治りたい」と「無意識=治りたくない(できなかった言い訳を手放せない)」との間に亀裂が生じています。
なので、本人が「治りたい」とがんばってるのに、ほかでもないご自身(裏・本人とでも言いましょうか)が「絶対治らせない」とジャマしまくってるんですよね。
最終的に、このタイプのひとは、「治らないメリットを手放さない」自分を無意識の中に発見して、それをいったん意識に上げ、そのメリットはこれからの自分が持ち続けるか、手放すかを「意識」で判断する必要があります。
無意識内でのみプロセスを回していると、いつまでもこのプロセスに意識が振り回され続け、「症状」は出続けるからです。
このへんは「RCM」という人間心理を扱う手法を調べていただければ書いてあります。
でもね、この「いったん意識に上げ」るのが難しい!
直視したくない、一番ヤバイところを直視しなきゃなんないからね。
まあ、「治る」ということは、そういうことだったりします。
漢方薬はよく効くけど、こうした無意識プロセスをリセットしないと取れない症状は、それをやらないと取れません。
中には、どうしても治りたくないひと、治ったら逆に困るひともいます。
でも、意識ではやっぱり治りたいと思っているので、相談には来ますが、無意識の方が強くて治りません。
漢方で「心」にエネルギーを供給して、そのひとが無意識の本当の気持ちと直面するパワーをつけてあげたら。
あとは、ご本人のがんばりですね。
わたしはここから先は、先ほどチラッと挙げた「RCM」のプロにご紹介したりしますが、治りたくないみなさんはご紹介しても拒否されます。
自分のできる範疇を明確にしながら、自分の仕事をコツコツやっていく。
この姿勢をキープすることが大事かなと思ってます。
ひとの人生は、そう簡単に変えられないよ。