☆中医学って何?
中医学とは、「漢方」のもとになる考え方です。
・人間の身体はどんな仕組みか
・健康であるとはどんなことか
から始まり、
・病気とはどんな状態か
・回復するためにはどうするか
・病気になる手前で調整して予防しよう
・健康でいるためにはどうすればよいか
を具体的に説明している、ひとつの学問の体系です。
と同時に、人々が
・日々の生活のどこに気をつけたらよいか
・こんなとき、あんなときには、何を食べたらよいか
といった、実際の生活上のポイントをふんだんに含んでいる、実際的な「知恵」の総体でもあります。
中医学では、人間の身体の各組織や器官が、「バランス」を保って協調しているときを「健康」だと判断します。
人間全体を観る、と表現されることもあります。
どこまでも細かく分析していって、「悪い部分はどれか」を追求していく西洋医学とは、向いている方向が異なります。
どれだけ検査をしても異常がなく、治療の方法がないのに、つらい症状が続く。
そんないわゆる「不定愁訴」には、漢方がよく効くと言われるのは、まさにこのためでしょう。
日本の漢方も現代中国の中医学も、更には韓国で盛んな韓医学も、源流は同じです。
それぞれの地域で、それぞれの発展を遂げて現在に至ります。
日本は鎖国の影響もあり、古典的書物に載せられている処方の研究と応用が中心となりました。
古典の書物が書かれた時代、ひとびとは「寒い」タイプの感染症(腸チフスなど)に苦しめられていました。
時代が下ると、「熱い」タイプの、炎症がメインとなる病気が増えます。
日本の鎖国時代以降、中国ではこうした炎症性疾患への対応が研究されました。
生活が豊かになるにつれ、日本でも、アレルギーやアトピー、高血圧や糖尿病など、「炎症」がからんだ病気の割合がとても増えています。
「熱い」タイプの病気からどう身を守るか。
そのために、中医学の成果を応用すべきときが来ているのです。