行政は、謙虚でなければならない
阿南市は、那賀郡・海部郡とともに「定住自立圏」というものを作っています。阿南市に都市機能を集約しようというものです。阿南は富岡中心主義ですから、とどのつまり、県南の中心機能を富岡付近に集約しようという話です。
しかし、阿南以外の町々の声は、冷ややかです。阿南に集約することが、ほかの町々の活性化につながるのか疑問視されています。富岡的中心主義のやり方が、県南には受け入れられていないのです。
ここから生じる疑問がある。阿南市内でも同じく、この構造は受け入れられていないのではないか? 富岡から遠い地区住民からは納得されていないのではないか? という疑問だ。
そもそも、阿南市内で各地区の住民の意向調査などが行われたことがない。今回の新聞記事の県南部のコメントのように、富岡的なやり方の是非をうかがう機会は、これまでない。
阿南市はこれまで、現行の方針が全地区住民から是認されている前提で行政を進めている。端的に言って非常に傲慢だ。
行政手続きの一環としてパブリックコメント的なものは行われている。しかし実際そうしたものは、"意見を聞きましたよ" というタテマエ作りの儀式でしかなく、自分たちの方針とは異なる "面倒" な市民の声によって市が大きく方針を修正することが起こるなんていうのは、ドラマの世界だけなのが現実だ。
住民はよほど大きいマイナスな危機感が発生しない限り、普通は声を上げない。行政は自分たちの既定路線に慢心せず、住民が心から納得されていないのではないかと常に疑わなければならない。
だから、こうしたナマの客観的な県南の住民の声は貴重なのだ。

この定住自立圏、実態を端的に言いますと、定住自立圏を作ると、国から特別交付金がもらえます。それを阿南市は、医療センターの整備に充てました。阿南市は医療センターを「最大の成果だ」と言っています。
ですが、そのほかの課題では、めだつ成果が出ておらず、阿南市のみが大きい得をしただけという現実になっています。
もともと阿南市は、医療センター以外の課題にはそれほど興味がなくて、都合よく交付金制度を利用したかっただけであるから、あまり力が入らないだけでは? というのは邪推しすぎなのでしょうか。
現実だけを見れば、阿南市が医療センターを欲しいがために、都合よく周辺の町々を利用した、と批判されてもおかしくないかのような状況です。
阿南市の自己中心的なやり方が露骨に出ているように見えるのは気のせいでしょうか。
いずれにせよ、徳島県南部では、1カ所に集約し、そこだけを栄えさせるスタイル(富岡的考え方)は、合わなさそうです。
