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主人と私

私が産まれてから今までの間に1番印象に残っている光景は、6歳のころ住んでいた長屋が火事で全焼したことです。
とてもきれいだった記憶があります。

子供のころから、あまり人と話す方ではないのに加えて、ほとんど自分と姉以外の他人には興味がなく、目の前で誰かが倒れていても特に何とも思わず、その倒れている人に助けを求められれば始めて何かをする性質でした。
今ではそうやって人を騙す人がいると分かり、助けを求められても何もしないように気を付けています。
なるほど、火事の時、私を助けてくれなかった人たちは、よく考えた上での行動だったのだなと今では思います。

 

それでも学生時代は趣味の読書や映画の世界で何人か友人もできました。そのうち1人とだけは今でも付き合いがあります。その友人の、私が死んでも特に何とも思わないだろう性格が、逆に気が置けずに付き合いやすいところです。

 

ときどき、学校でも職場でも「どうして人に心を開かない」と私に絡んでくる人がいて、こちらはその言葉の意味も少し分からないところがあって、反論のしようもないから困惑してしまいます。
皆は他人へどのように「心を開いて」いて、それを受けた他人は何を持って相手が「心を開いて」いると認識できるのは未だに分かりません。

そんな性格だからか、それとも顔とか別の何かが駄目なのか、異性関係ではモテたことがないどころか、異性の前に出ると態度を変える(よくいるタイプの)人が、私の前だと同性といるとき用の態度を取るなど、そもそも異性とすら見られていないような感じで、代わりにこちらも異性にはそんなに興味がなく(ゼロではなかった)、誘われればついていきますが、自分からは誘うことがなく特にどうなろうがどうでも良い感じでした。
中学時代のバンドをやっていたころはモテたというか、よく声を掛けられた記憶がありますが、何せ当時は初心なの中学生でしたので特に何もありませんでした。

 

借金を背負ってからは、異性関係の優先順位はかなり低くなり、特に興味もありませんてしたが、そんなときに本社から飛ばされた支社で主人と出会いました。

 

そのころは、仕事は昼と夜の2つを抱えている忙しさもあって、誰かと付き合うつもりも付き合える気もなく、主人を車で送っていたのも、たまたま帰る時間が同じだったってだけで感情は何もありませんでした。
あまり他人に興味がなくても、他人と話を併せることはできるので、主人とその友人2人とのアウェーの飲みに出ても、普通に話はできていたと思いますが、特に主人にも誰にも何の興味もなく過ごしていました。
夜の仕事で金曜夜から日曜にかけては忙しいため、その日程を調整して主人から誘われた旅行を了承したのにドタキャンで潰されたときは、きっぱりと迷惑だと言いましたが、別に旅行へ行きたかったわけではなく、ただ迷惑だから迷惑だと言っただけです。

 

不思議なことに人に興味がないときには、人に誘われてもどうでもよく、文字どおり「温泉に行こう」と言われたので、何の感情もなく「温泉へ行って」いました。
しばらくして、肉体関係に誘われましたが、興味もないから本当にどうでもよく、肉体的には可能だからしようとしただけで、こちらからしたい気持ちはなく、避妊具がないからできないと言われれば、なら止めておこうで終わりでした。
そのため、その翌日に主人から、今まで友達だったのに恋人同士になるなんて恥ずかしいねと言われたときは、顔には出さなかったと思いますが困惑しました。
私の方は前日の夜の未遂を考慮に入れても主人と恋人になった記憶はなく(恋人でなくても性交はできる)、というか、その時点でも職場の上司と部下の関係なだけで、友達だと思ったことすらなかったからです。私は主人への情が全くありませんでした。他の誰にも情は感じていませんでしたが。

 

そして、私は借金を返し続け、2週に1度は主人と会い、2回の失敗を経て3回目に成功してからは、会うたび・・・2回に1回ぐらいは肉体関係を結び、その1年後ぐらいのときに、私の方から主人に結婚を申し込みました。