ブロークバック・マウンテン | ささやかだけれど、役に立つこと

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読書、映画、時事ニュース等に関して感じたことをメモしています。忘れっぽいので、1年後にはきっと驚きをもって自分のブログを読めるはず。

(注)以下の文章は映画の結末に関する内容を含みます。

 

アン・リー監督、ヒース・レジャー&ジェイク・ギレンホール出演のブロークバック・マウンテン(2005)を観た。

 

1963年の夏、イニス・デル・マー(ヒース・レジャー)とジャック・ツイスト(ジェイク・ギレンホール)は羊の放牧の仕事を通じて知り合う。山奥で二人切りで過ごすうちに、二人の気持ちは友情を超えるものになって。。。のような話。

 

イニスとジャックは20年越しの恋仲になるが、二人の愛情はかなり異質だ。イニスは一途で気持ちが優先しているが、ジャックは肉体的な衝動がまずあってその後気持ちが着いていくタイプだ。実際、ジャックはメキシコで買春するしイニスの他に彼氏も作る。極め付けには、恐らくはイニスと別れて件の彼氏と牧場経営をしながら一緒に暮らす算段もつけていた様子だ。

 

しかしイニスは、ジャックの死後に全ての事情を知ってなお彼に愛を捧げる。その姿は、ブロークバック・マウンテンでの二人の想い出をどこまでも純粋化しようとしているかのようだ。イニスのクローゼッドに大切にしまわれている服と絵葉書が象徴するように、20年前のあの時から時間が止まってしまっているのかもしれない。