ナイトクローラー | ささやかだけれど、役に立つこと

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読書、映画、時事ニュース等に関して感じたことをメモしています。忘れっぽいので、1年後にはきっと驚きをもって自分のブログを読めるはず。

ナイトクローラー(2014)を観た。

 

 

ジェイク・ギレンホール、大好きな俳優です。でも今回は、今までになく不気味で病的な雰囲気に圧倒された。大体目がやばいです。まさにcrawlerという感じ。

 

ルイス(ジェイク・ギレンホール)のモラルを無視し直接・間接に他者を犠牲にして自己の利益を追求する、というような設定はちょっと典型的すぎるかなと感じたけれど、以下の点が印象深かった。

  1. どうもビジネス系自己啓発本やハウツー本を多く読んでいるみたいで、その内容を彼の新ビジネスに適用している
  2. アシスタントとして雇ったリックを、一応表面的には教育しようとしている

ハウツー本は、それが有効だと示唆するだけで、劇中で描かれる世界の異様さが強調される。ましてや、ルイスのような爬虫類的な感じの人がビジネス自己啓発本みたいなのを読んでいる姿を想像すると、人じゃないものが人のふりをするために学んでいる、みたいな気持ち悪さを感じさせる。

 

上の2番目も1に関係している。部下を動機付け、励まし、新たな視点を提供する、みたいなハウツー本的なことをリックに対して行っているのが妙におかしくて、同時にとても不気味だった。

 

ルイスのこういった切迫した、視野狭窄的な精神風景がどのように育まれたのかは、全く描かれていない。家族や友人も出てこない。ルイスの他者との遣り取りについて振り返ると、取り入る、陥れる、恐喝する、など基本的に相手を支配しようとしていることが多い。

 

ただ、唯一リックに対してはルイスの違った内面が垣間見えたような、救いがあるような気がしていたんだけれど。。。まさか、という感じ。まあ、リックの短絡的な行動にも問題があるけれど。