カリカリ
コツコツ


壁越しでも聞こえる音


言葉を紡ぐ音も
行き詰まった時に机を叩く音も


俺の耳には心地良くて


壁に背中を預けて
耳を澄まし目を瞑る


本当は流鬼のすぐ後ろ
背中合わせで
流鬼の温もりと一緒に聴きたいけれど


仕事は1人きりでしたがる貴方だから


俺は貴方に一番近い部屋で待ってるの


大好きな流鬼の傍で
大好きな音を聞いて
だんだん夢の世界に堕ちていく


大好きなものに包まれてる時には
大好きなもので溢れた夢が見れる気がするから



きっと次に目を覚ました時
俺の隣には流鬼が居るはず


俺様で我儘な流鬼は1人で居たがるくせに
誰かが傍に居ないと駄目なんだもん


でも
その誰かが俺であることが
たまらなく嬉しくて
俺はいつも
こうして流鬼が来るのを待ってるの




『……んぅ』


「あ、起きた」


ほら、ね


『あ、流鬼がいる』


「いちゃ悪いのかよ」


『ううん、嬉しい』


いつでも
いつまでも


俺が目を覚ました時
一番に会うのは貴方であって欲しい


我儘な貴方と俺の願いは
常に隣にお互いが居ることだから





[ワールドエンドスーパーノヴァ]より
「ひつとお風呂入りたい!!」


『嫌』


「どうすて?!!」


『絶対ろくなことないもん』


「じゃあ俺と入れ」


『…瑠樺さんも黄泉と一緒じゃん』


「じゃあひつ、俺と入ろっか」


『咲人なんて黄泉たちより危ないじゃん』


「なっ、ひつぅ…」


「「「ぎゃははははは」」」


「っじゃあ、ひつは誰となら入るのさ」


『誰とも入りたくないんだけど』


「だめ!!誰か選んでっ」


『えー…
じゃあ新弥』


「まじ?」


『一番安全そうじゃん、ヘタレだし』


「俺、男としてどうなんだそれ…」


「ぎゃはは」


「ヘタレよりましだな」


「ひつにナニかしたら殺す」


「しねぇよ!!(出来ねぇよ)」


『だから、選んだだけで一緒に入らないってば!!』


「もう皆で入ろうよ」


「おぅ」


「黄泉にしたら賢明な発言だね」


「「「「さぁ行こうか柩!!」」」」


『無視かっ!!』




[ワールドエンドスーパーノヴァ]より


なんだこれ…
愛しい人の心を手に入れようと


今日も哀れな奴らが舞い踊る


何と滑稽な光景だろう!!


いくら頑張ったところで戒がお前らのものになんてなるわけ無ぇのに


戒は俺のもの
初めて出会った時から
2人は結ばれる運命だった!!



可哀想な流鬼
俺が流鬼のものだって勘違いして…

俺は俺だけのもの
他の誰のものでもない。

ただ流鬼が一番最初に告白してくれたから
流鬼を選んだだけ


相手なんて誰でも良かった


だから
流鬼に飽きたら
俺はまた別の人のところにいくからね


ねぇ流鬼、


一番の愚か者は俺だけど

一番滑稽なのは

皆を見下したように見てる



流鬼自身なんだよ?





[ワールドエンドスーパーノヴァ]より
チク…


チクチクッ…


ねぇ、


ねぇ、咲人


どうして無視するの?

チクッ

俺何か悪いことした?

俺馬鹿だからさ、解らないんだ

チクッ

ねぇ、


ねぇ、咲人


せめてこっち向いてよ

俺のこと見てよ…

チクチクチクチクッ

もう、
咲人にとって
俺は要らない存在なんだね…


さよなら
さよなら咲人


頭の良い咲人なら解ると思うけど


愛の反対は無関心って
本当だったんだね


2人想いあった時間が
もう、ずっと昔のことみたいだよ…


チクチク…


痛い辛い痛い痛い痛い痛い痛い辛い痛…

『あ…』


まただ
またやっちゃった…

手首に咲いた
真っ赫な華

咲かせたのは
鉄のとげ


ねぇ、この傷を見せれば
咲人は俺を見てくれる?


もっともっと深くないとだめ?


ねぇ、ねぇ


チク、チク
ブチ、ブツッー…





[ワールドエンドスーパーノヴァ]より
あぁ

俺は此処で終わる


本能がそう告げていた

逃げようにも
逃げられない


どうして流鬼は
泣きながら笑っているの…?


やがて流鬼の笑顔が消え


俺の視界は暗闇に覆われた





この世界は理不尽にできすぎている


俺と戒は
認められない関係だと解っていた

いくら繋がったところで
非生産的でしかないということも


だけど

愛し合い、共に生きることすら許されないのか?

ただ隣に居るだけなのに
そんな目で俺たちを見るのか?


ふざけるな


こんなくだらない世界で
生きる意味はあるのか


答えは

いいえ、だ


「ごめんな、戒」


俺、疲れちまった…お前を守るって約束したのにな


流鬼は優しすぎるんだよ


暗い世界
流鬼の声だけが響く


「俺も逝くから」


感覚のない手に伝わる温もりは
俺の大好きな流鬼の体温


流鬼、愛してるよ


戒、愛してる


流鬼の言葉を最期に俺の世界はすべて閉じられた


また2人出会うことを祈りながらー…



[ワールドエンドスーパーノヴァ]より