222-3失った(うしなった)ものばかり数え上げて(かぞえあげて)みても、生きる(いきる)力(ちから)にならなん。 自分(じぶん)に残された(のこされた)ものを、数えて(かぞえて)感謝(かんしゃ)しなくちゃなあ」 菊川(きくかわ)先生(せんせい)は、前(まえ)におかれたせんべいに、はじめて手(て)を出した(だした)。 ―(ー) 坂森五郎(さかもりごろう)が死んで(しんで)間もなく(まもなく)、耕作(こうさく)(小学校(しょうがっこう)の先生(せんせい))は五郎(ごろう)の机(つくえ)をあけて見た(みた)。