少年時代、正月や彼岸には、伯父の家に親族揃って招かれ、食事をともにしていました。
結晶成長学のフロンティアで、結婚後2年間の英国留学を経た伯父の家には、標本であるところの貴重な原石や、外国ゆかりの品がたくさんありました。
そうした品を片手に、甥や姪にエピソードを語るとき、きまって伯父は「この石にはどんな物質が含まれていると思う?」と問いかけたりし、まず子供たちに考えさせ、それから面白くてためになる話をしてくれたものです。
春はおたまじゃくしを、夏はセミを捕まえるために庭に入っても、けっして叱られはしませんでしたが、学業をドロップ・アウトしたときには、大変厳しい眼差しを賜りました。
今になってみると「伯父の意見が正しい」と思う半面「深く考えず受験戦争に参入し、後にロボットみたいな大人にならなくて、本当に幸せだった」とも考えています。
学問について語るとき、伯父の佇まいはロマンに溢れ、名優が演じている主役のセリフを聴いているようで、多くの人を惹きつける魅力がありました。
一昨日朝、自宅で倒れ、そのまま天に召されましたが、旺盛な探究心は最晩年まで衰えず、男ならこうありたい!と誰にでもそう思わせるような、素晴らしい人生だったと思います。88歳でした。
きっと霊界で、有史以来の科学者たちと一緒に、より一層研究活動に励み、人類の福祉を増進するべく、活動してくれると、『シルバーバーチの霊訓』の読者たる私は、そう確信しています。
クラシカルホメオパスで整体師である私も、伯父のように真実を探求する旅を続けられるよう、毎日精進努力いたします。