- Deep Purple
- Fireball
- Deep Purple
- Fireball 25th Anniversary Edition
1971年発表。
名盤「In Rock」と「Machine Head」に挟まれて地味な印象の本作だが、決して駄作などではない。
また、個人的にハードロックに初めて出会った記念碑的意味合いもあって、思い入れは深い。
井上陽水、かぐや姫、吉田拓郎などの日本のフォークや、洋楽といえばBEATLES、CARPENTERSぐらいしか知らなかった中1の私に、本作のオープニングのエアコンの始動音、それに続くI.Paiceのツインバス・ドラミングは脳を揺さぶるような衝撃を与えた。
前作「In Rock」ではBlackmoreが主導権を握り、大げさにいえば他のメンバーはBlackmoreの言いなりにプレイしてたはずで、だからこそアルバム全体が徹底したハードロックで一貫されたわけだが、本作ではツアーの合間を縫うようにレコーディングされたようで、十分な曲作りの時間がとれず、ジャムセッションをしながら各メンバーの力量に頼った曲作りにならざるを得なかったため、それが本作のヴァラエティ溢れる楽曲群を生み出したと推測する。
1.“Fireball ”はシングルカットされ大ヒットした、「In Rock」の流れを汲むスピード感溢れるハード&ヘヴィな曲で、前述したとおりエアコンの始動音に続いてPaiceの凄まじいドラミングで幕を開ける。この導入部がまた、まるで巨大な精密機械が火を噴きながら離陸するようなさまを想起させ、たまらなくかっこいい。
I.Paiceはこの曲に限って、テンポが速すぎるためにツインバスにしているが、ライヴではその「支度」がなかなかお間抜けだったw (当時、ツインペダルは無かったのかね?)
ディストーションの効いたソロはギターではなく、ベース。
この手の曲にしては珍しくギターソロは無く、エンディングにオルガンソロが少し。
2.“No No No”はミドルテンポのヘヴィナンバー。ギターソロはエコーの効いたスライド奏法で、とても幻想的。
大好きなパートだ。
3.“Strange Kind Of Woman"はキャッチーなリフを持つ曲。歌メロもそれをなぞったもので、陳腐な印象もないではないが、コマーシャルな魅力はある。イギリスでは先行シングルでヒット。
ただ、実は今私が持っているCDはアニバーサリーエディションのみで、3.には代わりに“Demon's Eye”が入るイギリス盤仕様になっている。
“Demon's Eye”…駄作だと思いますがねw
4.“Anyone's Daughter”はカントリーウエスタン風味の、妙な哀愁とユーモアを併せ持った曲で、当時は問題作扱いされることもあったようだが、私ははじめから大好きだったな。余談だがBlackmore脱退後、ライヴで取り上げられて、自分の耳に自信を持ったw
5・“The Mule”はライヴでもドラムソロを挟むなど、重要なレパートリーになった曲だが、冗長すぎる気もする。お気に入りだったのだが、最近になって飽きてしまったようだw
6.“Fools”はヘヴィ&ヘヴィ!かつ静と動のコントラストが凄い。
ヘッドフォンで大音量で聴くときは心臓が止まるかと思うほどびっくりするので要注意だ。
ギターソロはエコーの効いたヴォリューム奏法で印象的なフレージング。
Blackmore自身も当時のインタヴューで、この曲をお気に入りに挙げている(他には1.と2.を挙げているが、その他の曲はあまり好きではなかったらしい)。
7.“No One Came”もヘヴィな曲。テープの逆回転が効果的に使われていて、面白い。
発表当時は「In Rock」の方向性に行き詰まったとの見方をされたのも無理はないが、後追いで聴く分にはもちろんまったく気にならない(この後も名盤を作り続けたのだから)し、ヴァラエティ豊かな楽曲群は魅力的で、あちこちにメンバー各々の力量を見ることができる好盤。