田舎暮らしはスローライフじゃない | Fire Spiral Gypsy ACHICO

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火と舞う、自然と寄り添い暮らす、ACHICOの物語

大都会に暮らしていた時は

 

大自然の中で、野菜やお米を手作りして自給自足のスローライフを夢見てた。

 

一人目の子を妊娠してからというもの、

 

タバコもお酒もジャンクも大好きだった私から一転、

 

体と地球に優しいものを選ぶようになって、

 

全国の有機農家さんからお野菜便をよく取り寄せていた。

 

ある時ふと、

 

手にした野菜たちのこの美味しさには

 

農家さんの汗と愛情と時間がたっぷり込められていることに想いを馳せ、

 

それを遠く大都会まで運んでお金と交換している、というギャップに違和感を感じた。

 

なんて言うのかな、

 

タイムラグ、のような感覚。

 

同じ時に、同じ地球の上で生きているのに、

 

別の次元の世界のリアリティーを強く感じた。

 

 

そして私は、

 

自分の手で、土を耕し、タネを蒔き、作物を育て、

 

収穫したものを子供と感謝の気持ちでいただく、

 

「生きる」というリアリティーを体験したいと思った。

 

 

 

1人目を大都会のマンションの部屋で

 

なるべく自然に近い形で自宅出産して、

 

娘が1歳を過ぎた頃

 

大都会の暮らしに別れを告げ、あてもない旅に出た。

 

夢のスローライフをおくれる新天地を探して2年後、

 

今私たちが暮らす岐阜の山奥の美しい里山に

 

ご縁が結ばれて暮らせることになった。

 

 

引っ越しが片付いてすぐに家の周りの草ボウボウの畑を耕し、

 

タネを蒔いた。

 

子供と一緒に、土にまみれて、草花を愛で、季節を味わい、

 

自然に寄り添う暮らしを紡いでいった。

 

ここでの暮らしは、

 

大地や森からの恵みがいっぱいで、

 

山の湧き水をいただいて、

 

多様な生き物たちと共存して、

 

古き良き暮らしの知恵を学び実践して、

 

色んな繋がりの中で生かされていることを感じられる、

 

ほんとうに豊かな暮らしです。

 

 

が・・・!!!

 

 

ハッキリ言って、

 

全然スローじゃないです!!!

 

 

夢に見ていた、

 

ゆったりとのんびりとした暮らし、ではなく。

 

 

めっちゃくちゃ忙しいです!!!!

 

 

なにせ、

 

季節に追われる。

 

その時々に、やることがいっぱいあるのです。

 

春には、

 

田んぼの稲の種まき、育苗、田おこし、野菜の種まき、床作り、

 

野草つみ、その加工、山菜とり、草刈り・・・・に加えて3人の子供たちの学校行事のオンパレード。

 

 

夏には、

 

田植え(手作業です)、梅の大量収穫、梅干し、酵素ジュースなどの加工その量約50kg、

 

永遠につづく草刈り、果てしない田んぼの草取り、

 

・・・に加えて夏休み期間中の終わりなき家の片付けと洗濯物と宿題との戦い。

 

 

秋には、

 

稲刈り(こちらも手作業です)、ハザかけ、冬野菜の種まき、果物や野菜の収穫、冬に向けての保存加工、

 

慌てて薪割り、焚き付け集め、まだまだ草刈り、

 

・・・・に加えて3人の子供の運動会、発表会ラッシュと秋の大型台風による農作業へのダメージの片付け。

 

 

冬には、

 

焦りながらまだ薪割り、家の内外における冬支度、収穫した作物の加工、処理、

 

手作り味噌のための大豆、麹の手配、味噌仕込み(毎年だいたい30〜50kg)、

 

・・・に加えて地域のお付き合い(奉仕作業、資源回収、自治会、地域の役員などなど)盛りだくさん。

 

 

 

ざっと思いつくままに一年の流れを書きだして見たけれど、

 

まだまだこんなもんじゃない。

 

どれも1日で終わるものはないし、

 

次の季節にやることへの準備も前もって進めなくてはいけないから、

 

なんだか常に季節に追われている感じ。

 

 

まあ、でもそれは大都会に暮らしてたときも

 

何かに追われてはいたけれど、

 

それとは心地よさが違うから、決してイヤではない。

 

一つ一つを楽しむ余裕は確かにあるのが田舎暮らしの良さかもしれない。

 

てまひまかけ過ぎたり、やり方にこだわり過ぎて

 

逆に大変になっちゃうこともあるから、

 

田舎暮らし10年目にして

 

やっと手を抜くこともできるようになってきた。

 

 

 

昨日と今日も朝から

 

家族総出で田んぼに出て

 

一年の中で一大イベントである田植えに精をだした。

 

暑いし、泥んこだし、日焼けるし、腰は痛いし、すでにモモ裏パンパンだけどw

 

でも、気持ちよかった!!!

 

子供達は裸んぼで

 

田んぼプールで思いっきり遊んで

 

楽しそうだった♪

 

ふと、

 

田植えをしながら感じた。

 

都会では、

 

水を飲むにも、食べるにもお金がかかるから、

 

生きる=お金が必要=働かなくてはいけなかったけど、

 

田舎暮らしでは、

 

生きる=働く、が直結してる。

 

 

 

 

もちろん田舎暮らしだってお金は必要だし、あるに越したことはないけど、

 

 

ここでの暮らしで確信したことの一つに、

 

もしお金がなかったとしても、

 

「一年分の米、味噌、薪があれば人は生きていける」ってこと。

 

極論かもしれないけど

 

人が生きていくのに必要なものは至ってシンプル。

 

ここでは家の周りや森をぐるっとひとまわりすれば

 

食べれるものや飲める水は簡単に見つけられるからね。

 

特に「お米」は私たちの食卓の中心だから、

 

お米作りは生きることに直結した大事な仕事なんだ。

 

ご神事と言ってもいいくらい。

 

 

体と知恵と時間を使って自分で作物を得て、

 

それを食べて生きている。

 

遠回りかない。

 

タイムラグがない。

 

生きるために、働くんだ。

 

 

昔、感じたあの違和感は、

 

今はリアリティーとして実感になって、

 

ただ体に染み込んでいた。

 

 

 

全然スローライフじゃないけれど、

 

「生きてるっ!!!」って喜びを感じながら暮らせる、

 

それが田舎暮らしの醍醐味!!!

 

 

 

がんばった田植えのご褒美に、

 

田んぼに無数に自生する野生のセリを摘んで

 

今晩のご飯のおかずに♪

 

大地のエネルギーたっぷりのいい香りが

 

なんとも美味しい♡

 

子供達も喜んで完食。

 

自然の恵みはほんとうにありがたい。

 

今日も感謝です、ありがとう♡