うすむらさき | はい、がんなんですけど

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肺がん(肺大細胞神経内分泌腫瘍=LCNEC)ステージⅣと診断されたおっさんのゆるい毎日。

江戸むらさきは海苔佃煮もしくは、立教大学のスクールカラーだけど、薄紫は島根県の山々の色。

 

1982年の国民体育大会は、島根県が開催県だった。高校2年生の時だった。友だちに誘われて、開会式と閉会式の式典合唱隊のメンバーとして参加した。

この時に覚えた島根県民歌「薄紫の山脈(やまなみ)」を、今でも歌える。

ちなみに、郷土愛は薄めだ。

 

そんな島根県の県民歌のタイトル及び冒頭の歌詞にちなんだ色の電車が、かつて走っていた。

JR西日本のスーパーやくも号。

山陰と瀬戸内とを結ぶ特急電車で、出雲市駅を出て、岡山で新幹線と接続する。

スーパーやくもの名称は2006年に廃止され、車体の色も変更された。つまり、薄紫ではなくなった。しかし、特急やくも号就役50周年の記念として、このたび薄紫色が復活した。



 

 鉄道に詳しい人なら知っている381系というこの電車は、国鉄時代から走っている。主にカーブの多い山間部などで運行されてきた形式で、振り子式という機構が採用されている。

振り子式とは、まさしく振り子のように右へ左へ揺れる仕組みで、電車がカーブに差し掛かると、車体が内側に傾いて、さほど速度を落とさなくても曲がれる利点がある。

オートバイがコーナリングの時に、車体を内側に倒して曲がるのと、同じ理屈だ。

ただ、そのせいで評判もよろしくない。

なぜなら、乗り物酔いするから。

 

山陰地方と山陽地方を結ぶ伯備線という路線は、ほぼ山の中を走っている。そのせいでカーブが多い。そこで、4時間以上かかっていた運行時間を短縮するために、カーブで速度を落とさなくていい振り子式が採用された。

おかげで速達性は飛躍的に向上したんだけど、メリットがあればデメリットもある。その辺は、抗がん剤と同じ。やくも号の場合は、左右に振られることで、乗客の乗り物酔い率も飛躍的に向上してしまった。

一説では、飛行機より酔うらしい。

ただ、これまで何回も乗っているのに、俺は一度も酔ったことがない。

乗ったらすぐに缶ビールを飲み始めて、カーブの多いエリアに到達する前に寝ちゃうからなのかとも思ったけど、未成年の時から酔わないので、酒の力ではなさそうだ。

抗がん剤の副作用が強い人もいれば、俺みたいに脱毛以外はほぼ平気だった人間もいるように、結局は個人差ってことなんだと思う。

 

そんな復刻薄紫やくもは、先日から1日1往復、出雲市駅と岡山駅の間を走っている。

どの程度の揺れなのか、本当にそんなに酔うのか、是非ともこれに乗って、薄紫の山々を眺めに、島根へお越しください。

 

なお、旧国鉄時代のカラーリングが施された編成もありまーす。

 

 

 

 

 

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