これからは新興国株投資!?【長期投資】 | spider-thread-21のブログ

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これからは米国の株式市場が停滞期に入り新興国市場が伸びるという意見もあるようです。僕の考えを書こうと思います。

 

2000年代初頭にもそのような風潮がありました。「投資ポートフォリオの設計!」でも書きましたように、今後の成長予測を考えると新興国投資はポートフォリオに組み込む対象だというのは僕も同意します。しかし、耳障りのよい言葉には細かい点で注意が必要です。悪魔は細部に宿りますからね!(Devil is in the details!!!)

 

① GDP成長と株価上昇の相関性について

 

最近、GDP成長率と株価上昇率には相関がない、というようなコメントを見ました。誰がそんなことを言っているのか分かりませんが、単純化のし過ぎだと思います。僕が読んだ論文(Journal of Applied Finance & Banking)やその他の経済記事では相関があるとされています。勿論、分析する期間が短い場合は相関が見られなくなる場合もあるのですが、長期的には相関が取れているというのが一般的な理解だと思います。

 

ただ、細かく見ると色々と国ごとの差があって興味深いです。ある国の貿易相手国のGDP成長率が高い場合は、自国のGDP成長率が低い場合でも株価にプラスの影響を与えることは直感的にも分かると思います。そして、米国は特に他国のGDP成長から大きな恩恵を受けている国の一つです。戦後から一貫している米国の民主主義や資本主義の輸出は国益に叶った行動だったと思われます。資本主義といっても理想追及ではなく、米国の都合がいつもそこにはありましたものね。ですから、近年のトランプ氏が行った政策は、そのまま突き進むと長期的には米国の成長に寄与しない可能性も高いのですが、安全保障であったり特定の業界を保護することで国力を増大させることに成功すれば米国の成長に寄与することもあり得るという風に複雑なバランスがあるかと思われます。これは戦争でインフラやリソースを破壊・減退させることの代替手段という捉え方です。人道的な観点、ポピュリズム的な観点でも武力闘争よりも政治的選択のハードルは低くなりそうです。

 

② チャーティストによる新興国有望論について

 

それでは、最近復活している新興国市場有望論はどうでしょうか。以下の表は以前にも紹介した各国の金融市場における時価総額の凡その比率です。米国が圧倒的で世界の金融の中心となっています。中国はその地位獲得を勿論狙っていると思います。マネーがどのように世界を駆け巡り、危機が起きた場合にどこに還流するのかは絶えず頭の隅に入れておく必要があると思います。

 

 

新興国有望論で気を付けるべきは、今、同時に将来のインフレ懸念が台頭していることです。今後、米国で金利が上昇したらどうなるでしょうか?現在、コロナ危機からの回復の一番手は中国、それを激しく米国が追撃している状況です。もし米国で金利上昇が本格化すれば、確実に資金は米国に還流するでしょうから、それを食い止めるために新興国は時期尚早であったとしても金利上昇をせざるを得ない状況になります。そして、それは自国経済に負の影響をもたらし投資抑制を招く可能性がありますね。そんな折、有利になるのは先行者であり、現状では米国と中国がシェア拡大に動くのが順当ではないでしょうか。

 

③ 新興国投資に入れ込み過ぎないこと

 

僕は、米国や中国の企業価値が更に増大する未来も念頭におくべきだと思います。個別企業では新興国内にも恩恵を得るところもあるでしょうし、新興国の中でも貿易相手国との関係によって差が出ることになると思います。このようなことを考えると、新興国市場の株に大きすぎる比率を割くのはリスク管理上はよくないと思います。何故ならばマネーが駆け巡る起点が米国と中国になっているかも知れないからです。世界経済がインフレや金利上昇で混乱することを回避できれば新興国の成長は健全なカーブを描くと思いますし、大きなリターンをもたらすかも知れません。ただし、標準偏差が大きくなる可能性を肝に銘じる必要があると思います。

 

長期で見た場合は、新興国投資に妙味はあります。このあたりは個々のリスク許容度に関わってきますが、僕の場合は、新興国投資は一ヵ国につき全体の運用資産の3%以下にしていますし、新興国をすべて足しても15%を超えないようにしたいと考えています。参考になれば嬉しく思います。