いよいよ蒸留の段階です!
主に3つの種類の蒸留器が使われていて
蒸留回数は2回以上が義務付けられています。
まずは一番古いタイプの蒸留器のお話です。
【Olla de Barro】(オジャ・デ・バロ)
粘土製といいましょうか、土器でできた蒸留器です。
16世紀頃にオリエント貿易でメキシコのアカプルコに
持ち込まれたのではないかといわれているフィリピンの蒸留器です。
当時のフィリピンでは「椰子酒」を造るために使われていたとされています。
直火で薪を使い蒸留します。
2層に分かれている下の部分の土器に発酵液とバガズ(アガヴェ繊維)を
一緒に入れます。
その上に土器を重ねて使用済みのバガスで隙間を埋めます。
その上に金属製の洗面器のような形をしたコンデンサを乗せ
冷却用のお水が連続して流れるようにします。
撮影したときは稼働していなかったので、水は流れていませんが
上部の細いホースから水が流れるようになっています。
蒸留された蒸気が冷たい洗面器の裏側に水滴となり滴り落ちるのを
柄杓(ひしゃく)型の受け皿に溜まり
竹などで作った筒から蒸留されたメスカルを取り出すという方法です。
圧力が低いのと小型の蒸留器なので生産効率はとても悪いのですが
昔ながらの伝統的な方法なので、味わいや風味に違いが出てきます。
メスカルのボトルのラベルに「Olla de Barro」や「Clay Pots」と表記されているのが
この蒸留器で蒸留されたメスカルというコトなんですよ♪
次回は、「Olla de Cobre」というミチョアカン州やゲレロ州の
一部地域で使用されている蒸留器のお話をしましょう。