everlasting | sphere

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自作歌詞・詩置き場。
’13ブログリより移転しました。

まとわりつくグレーの空気
惰性に溶けた街の中を
走り出すには重い足で
迷子のように ただ 歩く

「主観」の枠から追い出した
雑音(ノイズ)で包み込んだ夢が
薄っぺらなリアルを叫ぶ
壊れかけた電灯の下

ありきたりな今を生きていて
他に欲しいものなんてないさ
それでも 何故か ただ
止まったままのような気がした

絡み合った糸につまづく
苛立ちは妥協に紛れて
無意識に動かす足で
ため息の中 ただ 歩く

揺れる窓越しの光さえ
流れ星のように見えていた
変わらないはずの街並みに
軋むレール 唄が響いて

ありきたりな今が無かった夜
あの唄はどう聞こえたのだろう?
馬鹿みたいな
「もしも」が心臓を支配して

繰り返すだけじゃない
終わらない夜が無いように
少しずつ動いていく今を
その 目で 見て

ありきたりな今なんかじゃなくて
違う名前だってあるはずさ
たとえば ほら
”僕”という名前を付けてしまえば

壊れかけた電灯の下で
進む速度は違うとしても
僕だってさ
ちゃんと歩いてるんだ
電車から星を眺めた夜
あの唄が 聞こえた気がした






















20130528

これもずいぶんと寝かせた詞です。3回ほど改訂しました。
登場人物は二人。何故かいつもそうですが。
サラリーマン3年目ぐらいの青年と、彼と同年代くらいのストリートミュージシャン。
今回はサラリーマンのほうを主人公にしましたが、逆バージョン作ってみても面白いかもしれません。

この詞はかなり明確にイメージが浮かんでいました。場所のモデルは地元大阪、当時工事中だったJR天王寺駅です。
『新しくなった場所は結構明るいのですが、構内の端の方になると色んなものがわりと古いままで、薄暗い印象があるんです。
天王寺駅は最近歩道橋も新しくなったのですが、工事開始前はよくその上で弾き語りなども行われていました。
なので、JRの駅側の薄暗い歩道橋下あたりをイメージしています。』
当時こんなこと書いてました。現在はそこそこ完成して、新しい歩道橋でもたまに弾き語りやってますね。

ちなみに電車のイメージはJRではなく、歩道橋を渡った反対側の阿部野橋駅から乗れる近鉄南大阪線です。こちらの方がなじみがあるので・・・w
(駅はだいぶ古いし、乗ってるとJRとかより揺れるんです。ちなみに最寄り駅が各停しか止まらないので彼が乗っているのも各停です)

ちょっとした出会いで、自分の中に眠っていた何かを思い出す、そんな感じの唄です。