knives | sphere

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自作歌詞・詩置き場。
’13ブログリより移転しました。

砂が落ちる音が
嫌味なほど 脳を揺らした
薄い感情の裏側で
壊れた君が囁いた

「早く大人になりたいの」
君と僕しかいない場所で
「ひとりで生きてたいの」
血を流す傷を抱えながら

置いていったのは、
君じゃなくて僕だった。

踏み外した階段の向こうで
君は 笑いながら泣いていた
振り上げた銀色に映る
願いが

怖いほど 綺麗だった。

ありふれた「生き方」の
真似事ばかり身に付けては
空(カラ)のままの君が
少しずつ 狂っていく。

置いていったのは、
君じゃなくて

僕だった。

「愛され方を知らないなら、
愛し方も知らないのに
愛し方を知らないなら
このままでいられたのに」

踏み外した階段の向こうで
大人になりきれないままで
振り下ろした願いを染める
色が 瞬く

笑いながら泣いて 笑う君を
君を
振り上げた銀色に映る

願いを






















20130516

ぶっちゃけ一言で言うと「厨二」っぽい。
叫ぶ系Vo.(凛として時雨のTK、Lyu:Lyuのコヤマヒデカズなど)大好きなので、そんな感じのイメージで書いていました。

タイトルのknives は 君のknife(愛されたい、愛したいという願い)+僕のknife(「君」を止めたいという願い)で複数形、という感じでしょうか。
ナイフという言葉は歌詞中には出していませんが、自分なりの「願い」の比喩です。
使い方によっては自分を、他人を傷付け、下手をすると命を奪うかもしれない、危ないもの。
そんな捉え方をしています。

これは小説の影響なのですが、「ナイフを持つことは危険なことではない。間違った使い方をして初めて危険になる」という考え方が頭から抜けなくて。
逆を言うと、持っているだけで、たとえば料理を、作ることはできないわけですが。

願っているだけでは何も実現しない。だから「君」は振り下ろした。
手段を誤った、ただそれだけの誰かの唄です。