夜と朝、夢と僕 | sphere

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自作歌詞・詩置き場。
’13ブログリより移転しました。

明日が来るのが怖かった。
目を閉じて震えてる。
眠りについてしまいたい。
そう、願ってばかり。

ライトをつける気にはならない。
自分には似合わない。
夜は好きだけど、朝は嫌いだ。
誰も居ない始まりを
迎える気にはなれない。

薄い毛布を被って寝る。
冬でもないけど、寒さは本物。
それは生きている証。


ああそうか。
この震えを、温度のせいにしたらいい。


…分かってる。
逃げられない。

震えを認めたくないのに。
恐怖を感じるたび、押し潰されそうになる。

寒さを認めたくないのに。
淋しさなんてもう二度と。
そう思ったって、
忘れられないけれど。


哀しみをぶつける、
その相手の名前は『自作自演』。
ただ単に、独り言を呟いたり。
ひどく辛い思い出を。
それは他でもない自分を、
傷つけるだけの自作自演。

眠ってしまえばもう楽だ。
夢を見ていられるから。
幸せをほんの少し曲げた、
呆れるほどのご都合展開。

目が覚める時を恐れた。
まるでガラス玉のように、
夢は否定されて砕け散る。
破片はどこかにつき刺さる。

覚めてしまえば、眠れない。
誰も居なくて。
自分は汚れ切っていて。

返事なんて帰ってこない。
『おやすみ』『おはよう』『行ってきます』。
『ただいま』は、一度も言えない。
いつ言えなくなるか
それがわからないから。

幸せを、忘れてしまえば。
もう朝は怖くない。
けれど、忘れてしまったら
自分は何も解らなくなる。

きっと明日も夢を見る。
幸せを思い出す夢を。
怖い夢は見たくないから、
幸せは忘れないだろう。



















20080402

幸せな夢の話。
一応、詩扱い。

 何回改訂してるのかわからないくらい古い詩で、もう今回は大きく手は加えてません。
タイトルはガラッと変えましたが。